君の声は甘く優しく、募る想いは切なく苦しく

「川居と世那を同じに扱うわけがないでしょ。川居が、海斗と俺との扱いに違いがあるのと同じだよ」

「俺は別に違わねえわ。カイもお前も一緒だ」

「長年連れ添った相手と高校で知り合った俺が同じなんて……」

「なんで衝撃を受けるんだよ。あと“長年連れ添った”って言い方やめろ」

「だって二人は最早夫婦でしょ?」

「「夫婦なわけあるか!」」


言い返す声が揃ったことに驚いて川居が振り返ると、背後に不機嫌そうな顔の海斗が腕組みして立っていた。


「こんな陰湿な小姑みたいな奴と夫婦とかありえないから。ひとの本棚見て、やれ埃が溜まってるだの、縦に並べるか横にして重ねるかどっちかに統一しろだのうるさいんだよ」

「誰が小姑だ!俺だってお前みたいなズボラな奴はお断りだ。ひとから借りた服を洗濯もせずに返しやがって」

「お前がそのままでいいって言ったんだろ」

「言ったって普通は洗って返すだろうが」


始まった言い合いを、佐渡は止めることもなくただ眺める。