君の声は甘く優しく、募る想いは切なく苦しく

「ふふ」

「……おい、気持ち悪いからやめろ」


思わず漏れた笑みに、辛辣な言葉が飛んでくる。
それは午後一番の体育の授業中、バスケットボールに打ち込むクラスメイトを横目に、壁際で休憩する二人のやり取り。


「ごめん、ごめん。お昼のこと思い出したらついね」


そう言って佐渡は、堪えきれずにまた「ふふ」っと笑みを零す。
それを眺める川居は、明らかに引いている様子だった。


「いやあ、可愛かったなあ、世那。あの困惑してる感じがね、もうね、どうしたらいいかわからないって感じのあの困り顔が、もう堪らなく可愛い……。そのあとすぐに、恥ずかしそうに真っ赤になったのも可愛かった」


横で川居が引いているのなんて構わずに、佐渡は上機嫌に語り出す。それを諦めのこもった表情で眺めたあとで、川居は口を開いた。


「昼休み、あの後輩のところに行ってたのか」