「吉野くんさー、今好きな子いる?」
「……何ですか、急に」
「何って、恋バナだよ恋バナ。男が集まったら、そりゃ始まるでしょ?恋バナ」
普通それは、女子が集まったら始まるものではなかろうか。男が集まっても始まるものなのか?
「そんなことより、先輩も手伝ってくださいよ。終わらないじゃないですか」
カウンターの向こうで椅子の背もたれに思いっきりもたれて脱力している人物に、吉野 世那は呆れながら声をかける。
同じ図書委員で、しかも委員長の役職にあるはずの先輩、佐渡 優真は、先ほどから一向に椅子から立ち上がる気配がない。
そのため、吉野が一人で本の整理をしていた。
「“先輩”だなんてよそよそしいなー、吉野くん。いいんだよ、遠慮しないで昔みたいに“ゆうくん”って呼んでくれても」
わざとらしい佐渡の悲しげな声に、最初に“吉野くん”なんて呼んだのはそっちだろうと吉野は心の中で言い返す。
どうせ手伝う気なんてないのだろうから、もう佐渡のことなど無視して仕事をしていると、吉野の反応を待つように黙っていた佐渡が再び口を開いた。
「……何ですか、急に」
「何って、恋バナだよ恋バナ。男が集まったら、そりゃ始まるでしょ?恋バナ」
普通それは、女子が集まったら始まるものではなかろうか。男が集まっても始まるものなのか?
「そんなことより、先輩も手伝ってくださいよ。終わらないじゃないですか」
カウンターの向こうで椅子の背もたれに思いっきりもたれて脱力している人物に、吉野 世那は呆れながら声をかける。
同じ図書委員で、しかも委員長の役職にあるはずの先輩、佐渡 優真は、先ほどから一向に椅子から立ち上がる気配がない。
そのため、吉野が一人で本の整理をしていた。
「“先輩”だなんてよそよそしいなー、吉野くん。いいんだよ、遠慮しないで昔みたいに“ゆうくん”って呼んでくれても」
わざとらしい佐渡の悲しげな声に、最初に“吉野くん”なんて呼んだのはそっちだろうと吉野は心の中で言い返す。
どうせ手伝う気なんてないのだろうから、もう佐渡のことなど無視して仕事をしていると、吉野の反応を待つように黙っていた佐渡が再び口を開いた。



