========== この物語はあくまでもフィクションです =========
============== 主な登場人物 =========================
笠置・・・夏目リサーチ社員。元学者。元経営者。分室リーダー。
高山・・・夏目リサーチ社員。元木工職人。Web小説ライターでもある。
榊・・・夏目リサーチ社員。元エンパイヤステーキホテルのレストランのシェフ。元自衛隊員。分室のまかない担当?
夏目警視正・・・夏目リサーチのオーナー。
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==EITOとは、Emergency Information Against Terrorism Organizationを指す==
※夏目リサーチは、阿倍野元総理が現役時代に設立された会社で、警視庁テロ対策室準備室が出来る前に出来た。スーパーや百貨店の市場調査会社が、「隠密に」テロ組織を調査するのに適していると、副総監が判断し、公安のアシストとしてスタートした。
夏目リサーチは、民間の市場調査を行うのと併行して、危機的状況を調査する、国家唯一の調査機関である。
午後10時。浅草、浅草寺裏手のビル。夏目リサーチ社分室。
夏目警視正が、データ入りのCDを持ってきた。
「CDですか?それと、何で夏目さんが?」と笠置が言った。
「今回は、大阪の南部興信所の幸田さんからの依頼だ。興信所への依頼は、電気の『不正利用』がないかどうか、という事だった。依頼者は高齢者でね。前回の電気代が異常な金額だった。引き落としだから自動的に支払われる予定だ。だが、腑に落ちない。いくら大寒波でエアコンをつける時間が長いと言っても、高い。電気会社は正当な料金だ、間違いない、と言う。そこで、過去に壁面外部電源で電気を盗む事件があったことを思い出した。最近は、EV車が流行りだからな。幸田さんは、依頼者宅の外部電源近くにダミーの木を植え、防犯カメラを設置。付近の街灯の近くにも設置。なおかつ、壁面外部電源近くにセンサーチャイムを設置した。用心させない為にフラッシュと警告音が鳴るチャイムの警告音の音量をオフにしておいた。更に、横庭、詰まり、側庭に防草防犯砂利を敷くように指導した。」
「つまり、そのカメラの映像ですね、夏目さん。」と高山が言い、「EITOを通じて送られて来たってことですよね。」と笠置がデータをセットして言った。
「依頼者宅の近所のコンビニがある。侵入者がいたという決定的な証拠がないから警察は動けない。長時間駐車しているクルマがあり、ナンバープレートが分からないようにしている、と聞き込んだ花菱さんが、コンビニの店長に頼み込んで不審車両の割り出しという名目で、当日の分だけ防犯カメラ映像を提供させた。流石、元刑事だね。こっちに入っている。」
夏目は、もう一枚CDを笠置に渡した。
色んなデータのマッチングだから時間がかかる。
榊が、気を利かせて、モッツァレラの煮込みハンバーグを作った。
夏目の好物である。
皆で平らげて、雑談していると、進展があった。1時間以上経っていた。
時間帯を絞り、南部興信所の聞き込み情報から一人のコンビニ客が浮かび上がった。
幸い、男はコンビニのカードとたばこカードを所持していて、警察のデータと一致した。那珂国人の帰化人だ。免許証データとお名前カードデータで自宅の情報も判明した。
笠置が報告書を作成、一部をプリントして夏目に渡し、メールで久保田管理官に送った。
早朝には、テレビのニュースで流れるだろう。
夏目は皆に礼を言い、帰ろうとしたら、榊が「はい。お土産。」と袋を差し出した。
ハンバーグをハンバーガーにしたのだ。
夏目は、思わず榊をハグし、帰って行った。
「お役に立てたかな?」
笠置と高山は榊に言った。「ウイー、ムシュー」
―完―
============== 主な登場人物 =========================
笠置・・・夏目リサーチ社員。元学者。元経営者。分室リーダー。
高山・・・夏目リサーチ社員。元木工職人。Web小説ライターでもある。
榊・・・夏目リサーチ社員。元エンパイヤステーキホテルのレストランのシェフ。元自衛隊員。分室のまかない担当?
夏目警視正・・・夏目リサーチのオーナー。
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==EITOとは、Emergency Information Against Terrorism Organizationを指す==
※夏目リサーチは、阿倍野元総理が現役時代に設立された会社で、警視庁テロ対策室準備室が出来る前に出来た。スーパーや百貨店の市場調査会社が、「隠密に」テロ組織を調査するのに適していると、副総監が判断し、公安のアシストとしてスタートした。
夏目リサーチは、民間の市場調査を行うのと併行して、危機的状況を調査する、国家唯一の調査機関である。
午後10時。浅草、浅草寺裏手のビル。夏目リサーチ社分室。
夏目警視正が、データ入りのCDを持ってきた。
「CDですか?それと、何で夏目さんが?」と笠置が言った。
「今回は、大阪の南部興信所の幸田さんからの依頼だ。興信所への依頼は、電気の『不正利用』がないかどうか、という事だった。依頼者は高齢者でね。前回の電気代が異常な金額だった。引き落としだから自動的に支払われる予定だ。だが、腑に落ちない。いくら大寒波でエアコンをつける時間が長いと言っても、高い。電気会社は正当な料金だ、間違いない、と言う。そこで、過去に壁面外部電源で電気を盗む事件があったことを思い出した。最近は、EV車が流行りだからな。幸田さんは、依頼者宅の外部電源近くにダミーの木を植え、防犯カメラを設置。付近の街灯の近くにも設置。なおかつ、壁面外部電源近くにセンサーチャイムを設置した。用心させない為にフラッシュと警告音が鳴るチャイムの警告音の音量をオフにしておいた。更に、横庭、詰まり、側庭に防草防犯砂利を敷くように指導した。」
「つまり、そのカメラの映像ですね、夏目さん。」と高山が言い、「EITOを通じて送られて来たってことですよね。」と笠置がデータをセットして言った。
「依頼者宅の近所のコンビニがある。侵入者がいたという決定的な証拠がないから警察は動けない。長時間駐車しているクルマがあり、ナンバープレートが分からないようにしている、と聞き込んだ花菱さんが、コンビニの店長に頼み込んで不審車両の割り出しという名目で、当日の分だけ防犯カメラ映像を提供させた。流石、元刑事だね。こっちに入っている。」
夏目は、もう一枚CDを笠置に渡した。
色んなデータのマッチングだから時間がかかる。
榊が、気を利かせて、モッツァレラの煮込みハンバーグを作った。
夏目の好物である。
皆で平らげて、雑談していると、進展があった。1時間以上経っていた。
時間帯を絞り、南部興信所の聞き込み情報から一人のコンビニ客が浮かび上がった。
幸い、男はコンビニのカードとたばこカードを所持していて、警察のデータと一致した。那珂国人の帰化人だ。免許証データとお名前カードデータで自宅の情報も判明した。
笠置が報告書を作成、一部をプリントして夏目に渡し、メールで久保田管理官に送った。
早朝には、テレビのニュースで流れるだろう。
夏目は皆に礼を言い、帰ろうとしたら、榊が「はい。お土産。」と袋を差し出した。
ハンバーグをハンバーガーにしたのだ。
夏目は、思わず榊をハグし、帰って行った。
「お役に立てたかな?」
笠置と高山は榊に言った。「ウイー、ムシュー」
―完―


