＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝ この物語はあくまでもフィクションです ＝＝＝＝＝＝＝＝＝
============== 主な登場人物 =========================
笠置・・・夏目リサーチ社員。元学者。元経営者。分室リーダー。
高山・・・夏目リサーチ社員。元木工職人。Web小説ライターでもある。
榊・・・夏目リサーチ社員。元エンパイヤステーキホテルのレストランのシェフ。元自衛隊員。分室のまかない担当？
久保田嘉三・・・警視庁管理官。警視庁と夏目リサーチのパイプ役。
夏目優香・・・夏目リサーチ社長。夫は夏目警視正、オーナー。
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==EITOとは、Emergency Information Against Terrorism Organizationを指す==
※夏目リサーチは、阿倍野元総理が現役時代に設立された会社で、警視庁テロ対策室準備室が出来る前に出来た。スーパーや百貨店の市場調査会社が、「隠密に」テロ組織を調査するのに適していると、副総監が判断し、公安のアシストとしてスタートした。
夏目リサーチは、民間の市場調査を行うのと併行して、危機的状況を調査する、国家唯一の調査機関である。
午後10時。浅草、浅草寺裏手のビル。夏目リサーチ社分室。
「おんなスパイ？」笠置が振り返ると、背後に立った久保田管理官が、「EITOの作戦の裏で殺された岩橋参事官の事件。副総監はごまかしていたが、ピスミラの女スパイが殺したんだ。凶器だが、新里がワイヤーブラだと言うんだ。手ぶらで家を出たから。」と言った。
「ワイヤーブラ？ブラのワイヤーを外して、絞殺したとか。それで、首を締めた後、また身に着けた？」笠置が驚きながら言うと、一緒に来た夏目優香が訂正した。
「本当の、スパイ映画ならね。私は。単純にブラの中に隠して、取り出して締めてまたブラの中に入れたと思うわ。」
「索条痕を調べた井関さんが、ブラのワイヤーより細く丈夫なワイヤーだと断定したよ。」
「で？我々の仕事は？」高山が尋ねた。
「ピスミラの仲間だったことは、鳩の跡で判明しているが、肝心な正体の手がかりデータが問題だ。新幹線に乗ったと仮定して、10日前だと上書きして防犯カメラデータは消える。が、総理が市橋総理に替わってから、極秘裏に方針が変わり、マスコミには伏せてある。ご存じの通り、総理は総務大臣をしていた頃からセキュリティークリアランスを提唱してきたからな。データは1ヶ月留保され、その後、警視庁で保管する。今、マッチングして貰っているのは、分量が多いからだ。」
「つまるところ、ピスミラに情報漏洩されていない限りは、新幹線データが役に立つ。空港は死角が多すぎるし、入出国データは限られているわ。」と、優香が口添えした。
45分後。メインとサブでフル活動していたマッチングが止まった。
サングラスをしている女、していない女の色んな角度のデータが集まった。
ここでカチカチデータの出番だ。カチカチデータと彼らが言うデータは、バイト君達が各地で、往来人数をカウントアップしている時、内密に撮影されたデータだ。
「昨日、午後3時。ホワイトグラムホテルにチェックインか。よし、笠置さん、警視庁に送ってくれ。ところで、榊さん、今日のメニューは？」
「久保田さんの好きな『生姜焼き』。」榊はにっこり笑った。
久保田の持って来たデータは「ついで」だったか、と笠置は呆れた。
さあ、夜食タイムだ。
―完―
============== 主な登場人物 =========================
笠置・・・夏目リサーチ社員。元学者。元経営者。分室リーダー。
高山・・・夏目リサーチ社員。元木工職人。Web小説ライターでもある。
榊・・・夏目リサーチ社員。元エンパイヤステーキホテルのレストランのシェフ。元自衛隊員。分室のまかない担当？
久保田嘉三・・・警視庁管理官。警視庁と夏目リサーチのパイプ役。
夏目優香・・・夏目リサーチ社長。夫は夏目警視正、オーナー。
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==EITOとは、Emergency Information Against Terrorism Organizationを指す==
※夏目リサーチは、阿倍野元総理が現役時代に設立された会社で、警視庁テロ対策室準備室が出来る前に出来た。スーパーや百貨店の市場調査会社が、「隠密に」テロ組織を調査するのに適していると、副総監が判断し、公安のアシストとしてスタートした。
夏目リサーチは、民間の市場調査を行うのと併行して、危機的状況を調査する、国家唯一の調査機関である。
午後10時。浅草、浅草寺裏手のビル。夏目リサーチ社分室。
「おんなスパイ？」笠置が振り返ると、背後に立った久保田管理官が、「EITOの作戦の裏で殺された岩橋参事官の事件。副総監はごまかしていたが、ピスミラの女スパイが殺したんだ。凶器だが、新里がワイヤーブラだと言うんだ。手ぶらで家を出たから。」と言った。
「ワイヤーブラ？ブラのワイヤーを外して、絞殺したとか。それで、首を締めた後、また身に着けた？」笠置が驚きながら言うと、一緒に来た夏目優香が訂正した。
「本当の、スパイ映画ならね。私は。単純にブラの中に隠して、取り出して締めてまたブラの中に入れたと思うわ。」
「索条痕を調べた井関さんが、ブラのワイヤーより細く丈夫なワイヤーだと断定したよ。」
「で？我々の仕事は？」高山が尋ねた。
「ピスミラの仲間だったことは、鳩の跡で判明しているが、肝心な正体の手がかりデータが問題だ。新幹線に乗ったと仮定して、10日前だと上書きして防犯カメラデータは消える。が、総理が市橋総理に替わってから、極秘裏に方針が変わり、マスコミには伏せてある。ご存じの通り、総理は総務大臣をしていた頃からセキュリティークリアランスを提唱してきたからな。データは1ヶ月留保され、その後、警視庁で保管する。今、マッチングして貰っているのは、分量が多いからだ。」
「つまるところ、ピスミラに情報漏洩されていない限りは、新幹線データが役に立つ。空港は死角が多すぎるし、入出国データは限られているわ。」と、優香が口添えした。
45分後。メインとサブでフル活動していたマッチングが止まった。
サングラスをしている女、していない女の色んな角度のデータが集まった。
ここでカチカチデータの出番だ。カチカチデータと彼らが言うデータは、バイト君達が各地で、往来人数をカウントアップしている時、内密に撮影されたデータだ。
「昨日、午後3時。ホワイトグラムホテルにチェックインか。よし、笠置さん、警視庁に送ってくれ。ところで、榊さん、今日のメニューは？」
「久保田さんの好きな『生姜焼き』。」榊はにっこり笑った。
久保田の持って来たデータは「ついで」だったか、と笠置は呆れた。
さあ、夜食タイムだ。
―完―
