下らない話

「樹…お前ってさ、振られたんだよな?」
「何だよ?蒸し返すなよ」
「いや、お前の何が悪いんだか分かんなくてよ」
「…はぁ?何言ってんだよ」
「何って別にそのまんま思った事言ってるだけだけど」
「好きになれなかった俺が悪いんだよ…」
「え?何て?」
「俺が悪いんだよ。俺が……じゃないから」
「拓海くん‼︎樹くん‼︎もっと早く歩いてよ」
「あ、うん」

 一瞬泣き出しそうなくらい暗かった樹の表情(かお)がパッと笑顔になった。

 女に手を引かれて前を歩く樹を見ながら嫉妬とは違うモヤモヤした何かを感じていた。