「どこが20分刻みだよ?」
「洗い場少ねぇんだってよ」
 約四クラス分の同級生で溢れ返って脱衣所も中もまるで地獄絵図。
 後から残りの(ふた)クラスが来るし、その後他の学校の生徒も来るらしい。

「あ…」
「あ、ごめんな」

 湯上がりのヤツに押され、向かい合った樹に抱きつく様に体当たりしてしまった。
 お互い丸出し状態で…。

「ちょ、(わり)ぃ…不可抗力」
「…あぁ、うん」

 背がほぼ一緒だから、当然脚の長さもほぼ一緒なわけで…

「とりあえず中、行くぞ」
 人をかき分け進む。

 ああ、そうとも‼︎どう見ても半勃ちだ。いや、七分(しちぶ)勃ちかも知れない。
 だが隠せば逆に目立ってしまう。

「ここ一緒に使っていいか?」
 別クラスの友達に許可をとり頭を洗い始める。
「何かお前勃ってね?」
「これは俺の通常だ」
「え?んなわけねぇだろ?」
「ちょ。(つつ)くんじゃねぇよ」
 仕返しに指で弾いてやったら「おぅ」とか言ってそいつも半勃ちになって笑い出した。

 あぁ、もう嫌だ嫌だ。お前のなんて触るくらいなら…