下らない話

 休み時間、教室移動、下校…
 ずっと距離を取っていたせいか事あるごとに樹は俺の所に来る。
 そしてそんな樹を追って板倉も来る。

 これ見よがしにしてくる『彼女アピール』は何なんだ?イラッとして対抗したくなる。

「樹くん今日うちで()()()()DVD観ようよ」
「え?あぁ…うん。いいよ」
「帰りに()()()()スーパー寄ってこ?」
「そうだね」
 こんな聞きたくもねぇ下らない話を何でわざわざ俺の席の前ですんだよ?

「…裕太の投稿(インスタ)見た?」
 携帯を見ながら話に割って入った。
「見た見た‼︎マジ何あれ?」
「アイツ本当しょーもねぇな…」
「なぁ、近々集まろうぜ?」
 樹が楽しそうに笑う。
「だな」
 俺も釣られて笑った。

 あぁ、この感じ…やっぱいいな。

 ただ好きなだけ。
 ただ樹の事を好きだと思うだけ。

 言わなくていい。
 ずっと永遠に届かなくていい。

 このままの関係で一緒にいたい。
 ただこうやって側で笑っていて欲しい。