下らない話

「マジかよ…」

 7クラスもあるのに何で同じクラスになるんだよ?

「おーーーっす‼︎」

 クラス分けのプリントを眺めたまま立ち尽くしている俺の背後から無遠慮に肩を組んでくる男。

 こいつ、人の気も知らないで…。

「朝比奈‼︎何かすげぇ久々じゃね⁈」
「…あ?そうか?」
「何だよー…冷てぇやつだなぁ」
 そう言って樹は無邪気に笑う。

 拳を強く握り、(たつる)を抱きしめたいという雄の欲求を必死で押さえつける。

 あの日から、俺は樹と距離を置いていた。

 さながら借金取りから逃げているかの様に、樹を見かける度に身を隠していた。

 行き先が同じなんだから仕方ない。流れで一緒に教室に向かった。
「7クラスもあんのに同じクラスになるなんてヤバくね?」
「…だな」
「修学旅行とかもあるしさ、同じクラスで良かったよ。な?」
「…んー」
 ポーカーフェイスのままでいたかったのに少し口元が緩んでしまう。
「…何笑ってんだよ?」
「お前が朝っぱらから小学生みたいなテンションだからだよ」

 意に反し身体が勝手に樹にヘッドロックをかける。