翌日、学校帰りにバイトに行って20 (はち)時過ぎに帰宅した。
 電気を点けると、机の上に『小論文の基礎』が置きっぱなしになっていた。
「ヤベ……置きっぱだったわ」
 本を掴み本棚の一番下に戻した。

 修ちゃん、部屋にいんのかな…?
 カーテンを開けようとして手を止めた。

 もう離れた方が良い…今がきっと、その時だ。

 俺は窓の鍵をかけた。
──カーテンが挟まっている事に気付かずに。