中間テストの最終日、友達と二人で二駅(ふたえき)隣のショッピングモールに寄り道をした。
 目的のCDを購入し、適当に見て歩いていた俺たちの向かい側から修ちゃんが来た。

 修ちゃんの隣には女がいて
……すごく()()()()だと思った。

 俺たちはまるで他人みたいに、お互い言葉を交わす事なくすれ違った。

 何だよ、彼女(おんな)いたのかよ。
 知りたくなかったから、今まで聞かずにいた。
……だよな、そりゃいるよな。

 だって修ちゃんは、正真正銘の思春期真っ只中の正常な10代男子だもんな。

「見た?今のカップル…。美男美女‼︎」
 友達の祥子(しょうこ)が俺に追い討ちをかける。
「そうか?別に普通だろ…」
「はいはい、イケメンのあんたから見れば普通でしたねー。すいませんねー」
「うるせーよ」

 帰宅後、俺は衝動的にゲームや漫画をダンボールにぶち込んだ。
 修ちゃんがここに来る目的を全部失くしてしまおうと思った。