「何これ、ねぇ?これ使って、あの本の丸付けてた所に?行くつもりですかぁ?」
「ちょっ、顔にネジネジしないでよ」
「ねぇ、これは?一体何ですかぁ?」

 死にたくなった。

「……返せよ」
「え?」
 感情が昂って、泣きたくなんかないのに涙が(あふ)れてくる。
「そうだよ、だったら何だってんだよ。俺はこれで誰とでもヤレる身体にすんだよ‼︎誰でも良いから、ヤるんだよ……。ほっとけよバカにしやがって」
「悠真」
「何だよ…(わり)ぃかよ⁈使うんだよ、俺が‼︎俺は男好きの変態だからな…相手なんて誰だって良いんだよ‼︎俺は…」
「悠真‼︎」
 抱きしめられて言葉を失う。

「誰でも良いなら、俺でも良いんだよな?」
「……え」
「何だってするから、俺にしろよ…な?」
「修ちゃん?」
「悠真」
「修ちゃん…俺の事……」
「好きだよ、悠真」
 より一層強く俺を抱きしめて、修ちゃんは確かにそう言った。

「俺もだよ、修ちゃん。俺も…好きだよ、修ちゃん…」
「マジかー……絶対(ぜってー)無理だって思ってた」
「俺だって……」