「おぉ、悠真(ゆうま)遅かったじゃん」
「あーまた勝手に人のベッドで…」
 高校(がっこう)から帰って来て部屋のドアを開けると、週に何度か目にするこの光景。

 隣の家から窓を使って入って来て、勝手に漫画を引っ張り出して、これまた勝手にベッドでくつろぐ幼馴染の後藤(ごとう)修二(しゅうじ)

 小学校入学直前、ほぼ同じタイミングで俺たちはここに引越して来た。
 初対面は60センチ離れた向かい合わせの二階の窓ごしで……出会ったその瞬間、直感的に感じたんだ。

──絶対に仲良くなれる。

 それからずっと、兄弟みたいに一緒に過ごしてきた。
 そしていつからか俺は……