オフィス街にある小さな公園は、傾きかけた太陽に紅く染まり始めていた。
「絶対六時って言ったのに」
スマホの画面を眺める。大きな文字で示された時刻は、「18:10」になっていた。
『こっから一分遅れるごとに、キス一回ね』
そう送ったのに、既読すらつかない。
もしかして、慌てて走ってきてるのかな。
そんな彼の姿を想像する。
今日は付き合いだして三ヶ月目の記念日だからって、言いだしたのは向こうの方からだ。
そんな高校生みたいなことする? って笑ったら、やった方がいいのかなって色々考えた結果なんだけどって、ちょっぴり拗ねてた。
ちょうど金曜日だったから、前に行ってみたいって言ってた、レストランを予約してくれたんだって。
実はそんなに本気で行きたいと思って言ったわけでもなかったんだけど、そうやって気にかけてくれていたことが嬉しい。
早く高い鼻筋から頬、耳たぶにかかる髪に触れたい。
人混みの向こうに、早足で近づいてくる彼の姿が見えた。
「お待たせ」
「遅い」
「遅いたって、そんな遅れてないでしょ」
「私がさっき送ったメッセージ、ちゃんと見た?」
「いや? そんなの、急いでたんだし見てないよ」
彼はそれを確かめるために、スマホを取りだす。
「今何時?」
彼はちらりと確認すると、すぐにそれをポケットに戻した。
「絶対六時って言ったのに」
スマホの画面を眺める。大きな文字で示された時刻は、「18:10」になっていた。
『こっから一分遅れるごとに、キス一回ね』
そう送ったのに、既読すらつかない。
もしかして、慌てて走ってきてるのかな。
そんな彼の姿を想像する。
今日は付き合いだして三ヶ月目の記念日だからって、言いだしたのは向こうの方からだ。
そんな高校生みたいなことする? って笑ったら、やった方がいいのかなって色々考えた結果なんだけどって、ちょっぴり拗ねてた。
ちょうど金曜日だったから、前に行ってみたいって言ってた、レストランを予約してくれたんだって。
実はそんなに本気で行きたいと思って言ったわけでもなかったんだけど、そうやって気にかけてくれていたことが嬉しい。
早く高い鼻筋から頬、耳たぶにかかる髪に触れたい。
人混みの向こうに、早足で近づいてくる彼の姿が見えた。
「お待たせ」
「遅い」
「遅いたって、そんな遅れてないでしょ」
「私がさっき送ったメッセージ、ちゃんと見た?」
「いや? そんなの、急いでたんだし見てないよ」
彼はそれを確かめるために、スマホを取りだす。
「今何時?」
彼はちらりと確認すると、すぐにそれをポケットに戻した。



