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病院の廊下に出たら、どこからか静かで暗いオルゴールのメロディーが流れてきた。
お葬式を連想させるような暗いメロディーだ。
ここは病気で死に絶望してる人を助ける場所なはずなのに、お葬式のメロディーを流すってどう言うつもりなのよ、と誰に言うまでもない怒りの矛先を向け、さっさと廊下を進む。
そのメロディーをふさぎこむように私は、スマホに白色のイヤホンを接続して、ぐりぐりと耳の奥に押し込んだ。
そして、いつも通り誰もいないフリースペースを後にする。
自分の病室の扉をガタッと勢いよくあけた。
そばにいた老人が、なんだ!?という感じで私のことを見ている。
私は少しだけ申し訳なく思いながら病室に入った。
もちろん、家でないから懐かしいような匂いとかはもちろんない。
だけど、自分の匂いが染みつつあるシーツに時々やるせ無い気持ちになる。
私がここで生活したという印が、くっきりと残っているようで。
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病院の廊下に出たら、どこからか静かで暗いオルゴールのメロディーが流れてきた。
お葬式を連想させるような暗いメロディーだ。
ここは病気で死に絶望してる人を助ける場所なはずなのに、お葬式のメロディーを流すってどう言うつもりなのよ、と誰に言うまでもない怒りの矛先を向け、さっさと廊下を進む。
そのメロディーをふさぎこむように私は、スマホに白色のイヤホンを接続して、ぐりぐりと耳の奥に押し込んだ。
そして、いつも通り誰もいないフリースペースを後にする。
自分の病室の扉をガタッと勢いよくあけた。
そばにいた老人が、なんだ!?という感じで私のことを見ている。
私は少しだけ申し訳なく思いながら病室に入った。
もちろん、家でないから懐かしいような匂いとかはもちろんない。
だけど、自分の匂いが染みつつあるシーツに時々やるせ無い気持ちになる。
私がここで生活したという印が、くっきりと残っているようで。



