俺が誕生日だということで、御子柴がラーメンを奢ってくれた。
いつだか御子柴が言ってた、元町商店街のすぐ近くにある塩ラーメンの店である。あっさりとした塩味と、春菊のトッピングが美味かった。
腹を満たして、店を出る。五月の初夏の風が周囲の木々を揺らした。放課後に寄ったので、空はすでに茜色に染まっている。
「ごちそうさまでした」
「いえいえ」
礼を言う俺に対して、御子柴は軽い口調で答える。
元町商店街の方に向かって坂を下っていく。夕日に照らされた御子柴の横顔がふと思案げになった。
「よく考えたら、水無瀬はもう十八かぁ」
「そりゃそうだろ」
「じゃ、俺が十八になるまでおにーちゃんって呼ぼ」
「は?」
「ね、晴希おにーちゃん。俺より背が小さくて華奢だけど頼りがいはあるようなないような晴希おにーちゃん?」
どさくさに紛れて猫なで声でイジってくるのに、むかっ腹が立った。
俺は歩みを止めると、怪訝そうに振り返った御子柴の額を人差し指で突いた。
「あんま生意気言ってると怒るぞ。……涼馬くん」
舌に乗った御子柴の名前に、妙な甘ったるさを感じる。
口を変な形に動かしていると、突然、御子柴が、
「ぐっ――」
と呻いて、くの字に体を折った。
「え? どした?」
「……鳩尾に来た……」
「なにが?」
御子柴は答えず、腹を押さえ続けている。あ、そういえばこいつラーメン替え玉してたからなぁ、と俺はため息をついた。
いつだか御子柴が言ってた、元町商店街のすぐ近くにある塩ラーメンの店である。あっさりとした塩味と、春菊のトッピングが美味かった。
腹を満たして、店を出る。五月の初夏の風が周囲の木々を揺らした。放課後に寄ったので、空はすでに茜色に染まっている。
「ごちそうさまでした」
「いえいえ」
礼を言う俺に対して、御子柴は軽い口調で答える。
元町商店街の方に向かって坂を下っていく。夕日に照らされた御子柴の横顔がふと思案げになった。
「よく考えたら、水無瀬はもう十八かぁ」
「そりゃそうだろ」
「じゃ、俺が十八になるまでおにーちゃんって呼ぼ」
「は?」
「ね、晴希おにーちゃん。俺より背が小さくて華奢だけど頼りがいはあるようなないような晴希おにーちゃん?」
どさくさに紛れて猫なで声でイジってくるのに、むかっ腹が立った。
俺は歩みを止めると、怪訝そうに振り返った御子柴の額を人差し指で突いた。
「あんま生意気言ってると怒るぞ。……涼馬くん」
舌に乗った御子柴の名前に、妙な甘ったるさを感じる。
口を変な形に動かしていると、突然、御子柴が、
「ぐっ――」
と呻いて、くの字に体を折った。
「え? どした?」
「……鳩尾に来た……」
「なにが?」
御子柴は答えず、腹を押さえ続けている。あ、そういえばこいつラーメン替え玉してたからなぁ、と俺はため息をついた。



