私たちの関係に、名前はまだない。

 これは、それだけ非日常で……遠い過去、高校生の頃に好きだった男の子に、婚約解消の経緯を話してて……なんだか、不思議。

「好きな人でもないけど……結婚に、丁度良いから……いや、俺はそれで、結婚するのは嫌かもしれない」

 私が元婚約者と結婚しようとした理由は、まったくわからないと言わんばかりだ。高校生の彼には、これはショックな話だったかもしれない。

 好きな人と、結婚すると思うよね。私だって、そうだったもの。

「仕事だって大きな会社で安定しているし、容姿だって悪くない。性格も穏やかで、優しくて……それに、こんな私でも、良いと言ってくれたの。結婚相手の条件で言えば、とても良かったもの」

「俺には……どう言って良いのか、まるでわからないですけど……多分、お姉さんは私で良いより私が良いが、優先されると良いと思います」

「……え?」

「今までの話には、お姉さんのチョイスはないですよね。流されるままに何も選ばずに、ただ幸せになりたいというだけなら、一人の方がまだ気楽だと思います」

 真剣な表情の七瀬くんの話は、耳が痛い。