私たちの関係に、名前はまだない。

「もう終わった関係だし、はっきり言ってしまうと……この人でなくても良いけど、別にこの人で良いかと思った。平凡な私には、このくらいの幸せで、ちょうど良い思ったの……大人の打算」

「それは……俺には、わからないです」

 戸惑っている高校生の七瀬くんにとって、現在恋愛は関心ごと比率の中、多くを占めているだろうし……男女の差もある。

 こんな私の気持ちなんて、高校生の七瀬くんにはわからないと思う。

「けど、既に二人の未来を、思い描いていたの。短い間だったけど、この人と結婚すると思っていたから、残念だったし……悲しかった」

「はい」

「だから……向こうから、致し方ない理由で婚約解消を申し入れられて、ガッカリして……悲しかったけど、そんな自分を直視することになってみじめで」

 私は婚約していたというのに、あまり好きではない人と、これからの一生を共にしようとしていたのだ。

 なんだか、するすると話せてしまって不思議だけど、日頃、誰かにこんな胸のうちを明け透けに出すことなんてない。