殺人、はじめました。

 「お前、誰だ!」
気づかれたぁぁぁ~~
「俺?誰だと思う?」
え、鈴木?どうしちゃったの?
鈴木の声が変わった。革命だ。世紀の大革命だ。
西蓮寺が、いきなり私の方を見て言った。
「コイツの彼氏?やめとけば?」
いや、泥棒みたいのが入ってきて、言う言葉、それっすか?
私は、キレた。
私のことを、「コイツ」って言った。
しかも、鈴木のこと、「彼氏扱い」した。
最後に、「やめとけば?」って言った。
許せない。
「お前に『コイツ』って言われる資格ねぇんだよ!クソが!」
「ふざけんな、泥棒小娘!」
「泥棒小娘じゃないよ?私、殺し屋だから」
「え?」
西蓮寺は、意外と強い。昔、柔道でもやってたんだっけ。
でも、私の方が絶対に強い!
西蓮寺に向かって、蹴りを入れた。
西蓮寺の顔全体がぐしゃっと潰れる。
「あ~ら、せっかくのイケメンが台無し」
最後に、西蓮寺の腹を、三回踏んだ。彼の口から血が溢れる。
「次は、あんたにしちゃう?樹里亜ちゃん」
「ご、ごめんなさい。お金は全部あげます」
「あら、ごめん。お金のためにやってるんじゃないのよ。私、樹里亜ちゃんを殺さなきゃいけないらしくて」
樹里亜の頭を殴り飛ばした。一瞬で死んだ。面白くないな。
仕上げに、ブーツの先で、小突いてやった。
「あ、ごめん。全部、私でやっちゃった。あんた、防犯カメラを壊すことしかやってない」
「ひどいです、愛藍さん!ーあ、もうミッション終わったんでいいっすよね?」
ひどいひどいとまくし立てている割には、顔が笑っている気がするのは、気のせいだろうか。
「あんた、下の名前、教えてよ。さっきは、『鈴木』としか言ってくれなかったじゃん」
「ーありません。」
「え?」
「だから、下の名前がないっていうことです。」
下の名前が…ない?どういうことだろう。
「もう、帰りません?」
そう言う鈴木は、少しだけ、寂しそうに見えた。