殺人、はじめました。

 お決まりの黒い高級車に乗りこんだ。
今日は新人らしき「萌葱音々」という子が隣に座っている。
「こ、こんにちは。『ブルー』さん」
「よろしく。足、引っ張らないでよ?」
かなり弱気な性格のようだ。何度もうなずきながら泣きそうになっている。
あまり新人をいじめたくないが、甘っちょろい新人はいらない。
本部ミッションの研修をするということは、なかなかの腕の持ち主だ。
「ご、ごめんなさい…。ごめんなさい…」
下を向いてずっと謝っている。
まさにこれが「相性最悪」ってやつだ。
「ほら、顔あげなさい。ミッション中もそんな顔しちゃダメだからね!」
厳しくしながらも優しくしなければいけない。
そうしないとランクが下がってしまう。名誉は絶対だ。
殺し屋・スパイ界にも「パワハラ」・「セクハラ」というものはある。
最悪の場合、解雇される可能性だってあるのだ。それは避けたい。
ここまで頑張ってきたことが水の泡だ。復讐もできなくなってしまう。
「わ、分かりました。」
ドライバーがニヤニヤしている。無性にムカついた。
「何を笑っているの」
超塩対応でドライバーに話しかけた。私、塩です。砂糖なんか一ミリも含んでおりません!
「な、ななな…何も笑ってないです」
40代中年男性vs20代最強殺し屋の戦い。一目見てわかるよね?
このアラン様が勝つにきまってますねぇ~
「嘘つけ。絶対笑ってたわよ」
そうこう言っているうちに、コンビニについた。
ターゲットがコンビニにいるわけではない。一休みの為だ。
私はサンドウィッチとホットの紅茶を買って車に戻った。
音々はおにぎりと冷たい緑茶を買ったようだ。ザ・庶民すぎて笑える。
(言ったら解雇されそうなので我慢する by愛藍)
コンビニのサンドウィッチはなかなか美味しかったけど、マヨネーズが濃すぎる。
そこがちょっとだけ減点なんだよねぇ、具多め、調味料少なめにできないかしら~
音々は肉食動物のようにおにぎりを食べ漁り、緑茶を一気飲みして完食。
ギャップ、エグすぎ。
「じゃあ、行こっか!」
「はい」
「「潜入、開始」」