「最近、ミッションが楽しく感じるんだよね~」
イタリアから帰ってきた数日後、おっさんから電話がかかってきて、ミッションの詳細を教えてもらうことにした。
「今夜のターゲットは4人。渋谷でミッション決行だ。」
「4人?多いね。」
「渋谷に有名なホストクラブ『ウィンウィン』っていうところがあるんだが…」
「おっさん、また嫉妬?キャバクラ行けば?若い子いるよ?」
「いや、そんなんじゃないって。」
絶対『あとでキャバクラ行こう』って思ってるし。
「ふ~ん。あ、いけない。脱線した」
「それで、そこのホストクラブに、麻薬を使っているやつがいてな?」
「マリファナ?ヤバいね。」
「そいつが、雨歌の彼氏らしいんだ」
「うん!殺しに行こう!首斬ろう!」
「愛藍、嫉妬?ガールズラブか?」
「黙れ、おっさん。住所どこ?渋谷区何丁目?」
普通に雨歌は友達だし。マジでやめろクソジジイ。
っていうか、今の時代、そんなこと言ったら失礼だろうが。
「あ、そういえば!鈴木にもついて行ってもらうか。」
「え~。やだぁ!」
「鈴木はとてつもなく強いぞ。」
「私がメインハンターなら、別にいいけど」
しかも、鈴木がどれほど強いのか、ちょっと見たかったし。

 夜の渋谷は活気と熱狂に溢れていた。
「怖いっすね、渋谷」
鈴木が怖がるほどだ。だって、さっきからずっと変なおじさんが私たちを追っているのだから。
「後ろのおじさん、対処しちゃう?」
「しちゃってください!」
変なおじさんをノールックで蹴り飛ばした。私、ちょーカッコいい!
人口密度がヤバくて、おっさんが倒れたことに誰も気づかない。
そのくらい、渋谷は怖いのだ。
「あ、ここじゃない?」
上を見上げると、『ウィンウィン』と書かれた看板がある。
なんか、雰囲気悪そ~
恐る恐る、足を踏み入れた。