今回のミッションは、雨歌と一緒にやる。
「今日のターゲットは…」
「最近、ミッション多くない？まぁ、慣れたからいいけど」
「ごめんごめん。」
「ヤグザの友達なんか作らなきゃいいじゃないですか」
礼儀正しい雨歌は、ちゃ～んと敬語でおっさんに話しかける。
おっさんは敬語じゃなくてもいいと思うけど。
「なぁ、話を続けていいか…？」
困り眉。笑える。雨歌がやると可愛いけどおっさんは全然可愛くない。
「いいよ。で？今夜のターゲットは？」
「鈴木の元カノさんだよ」
「「は？」」
揃った。鈴木の元カノですって⁉マジでどうでもいい。世界一興味ない。
「おっさん、もしかしてBL⁉」
「違うよ！鈴木の元カノに嫉妬してたんじゃない。鈴木の元カノがヤバいやつなんだ！」
「ヤバいやつって、めっちゃ強いんですか？」
「そう。鈴木の元カノ、村上志穂っていうんだけど、ヤバいやつなんだよ！」
「だから、どこがヤバいの？」
「とにかくヤバい…」
「どこがヤバいっつてんだよ、さっさと言えよ！」
「愛藍ちゃんは、怒ると怖いんですからね。早く説明してください」
その通り！雨歌は優しい（神）
「忍者…らしい。」
「え、それって『スナイパー』の？京都にいる人？」
「違う。『スナイパー』じゃない。敵だ。『スイフト』だよ」
あの馬鹿が！敵と付き合ってんじゃね～よ。
「俺が鈴木に志穂ちゃんを殺すミッションを頼んだら、なんか、志穂ちゃん、鈴木の小学生の頃からの幼馴染みたいな感じでさ。」
幼馴染を殺すミッションか。志穂ちゃんも鈴木も可哀そうだ。
「それで、お互い、なかなか殺せずにいたらしい。それで、ミッションは失敗。二人は秘密で付き合うことにしたらしい。」
「ーなんでそれをおっさんが知ってんの」
「隠しカメラつけといたから～。あ、でも、愛藍とか雨歌にはつけてないからな」
恐ろしい。このおっさん、恐ろしい。
「で、鈴木、全部言っちゃったのね。『スナイパー』のこと」
「そういうこと。さすが愛藍。話が速い」
おっさんは、鈴木と話がしたいらしく、密会室へと向かった。
「愛藍ちゃん、行くよ」
雨歌が不気味に笑った。