『ひあめへ
この手紙が届いたってことは、ひあめはもう寂しくなっちゃったのかな?
僕は、ひあめのためにこの手紙を書きました。ひあめが僕の家に来た時に手紙を書いて、バッグに入れておいた。
このバッグに入れておけば、ひあめは見てくれると思ったから。
届いてよかったな。
連絡が取れなくてごめんね。寂しかった?もう、ひあめは寂しがりやなんだから。』
その時点で、私の涙腺が緩み始めていた。
何か重大でとてつもなく悲しいことを私に教えるつもりで手紙を書いたんじゃないだろうか。
そう、思ったら涙腺が緩み始めた。
でも、知りたい。灯利が残した手紙を、読んでおかなければと思った。
『僕が連絡が取れなくなったのは、僕が病気になってしまったから。
僕は、もともと持病を持っていた。だけど、ひあめに言えなかったんだ。僕の体がもう直ぐ限界だとはわかっていたから手紙を書いておいた。そしたら、僕がいなくなってもひあめは生きていられるかな、と思ったから。
ひあめ、僕、ひあめと会えてよかったな。なんか、こう言う手紙書くのって、ドラマか小説みたいだよね。
ひあめは僕がいなくても平気かもしれないけど、僕はひあめがいなきゃダメなんだ。だって・・・・・
僕、ひあめのことが好きだから。手紙の中での告白じゃなくて、ちゃんと口で言いたかったなあ・・・・・・
未練がましいな、我ながら。ひあめにこの手紙が届いてよかった。
僕は、ひあめとあの日で会えた時、運命だと思った。なんか僕に似合わないこと言ってる気がする(笑)
あと、ひあめの名前のことも考えておいた。
ひあめって、めちゃめちゃ存在意義あると思うよ。だって、恋してくれてる人がいるんだよ?僕、ひあめがいたから恋っていう感情をもてたんだから!
僕が考えたのは、ひあめの漢字。ひあめの”ひ”は、みんなを明るく灯すという意味である、”灯”僕の名前にも入ってるね。それで、ひあめの”あめ”は、みんなを明るく照らす星が瞬く場所である”天”という漢字でいいかな?
まぁ、ともかく・・・・・・
ひあめ、好きだよ。ひあめ、僕がもし死んじゃっても、ちゃんと生きてよ?死なないかもしれないけど多分もう会えないから、言っておくけど、僕がいなくてもちゃんと生きるんだよ?ひあめが、そんなに僕の存在意義を大切にしてるかはわからないけど、ひあめはいい意味で繊細だから、相手の気持ちを考えられるから、生きるのが辛くなってしまうのではないかと思ってさ。
手紙をかけてよかった。緊張で手が震えたよ。
ひあめに言いたいことがたくさんあったから、サラサラかけちゃった。手紙なんて滅多に描かないけどね。普段は。
ひあめ、好きだよ。ちゃんと、生きるんだよ?大好き。
灯利より』



