「ねぇねぇ、神楽さんは?下の名前なんて言うの?」

モタモタしてたら、聞かれちゃった・・・・・・・・・・


「え、っと、私は、ひあめって言うんですけど・・・・」

「へぇ、可愛いねっ!漢字はどんなの?」

「・・・え、っと、ひ、ひらがななんです・・・・」

声が震えた。あの時の、棘がある言葉が蘇ってくる。


しーん・・・・


沈黙が訪れた。それは、親切な人ばかり集っているからこそ、聞いてはいけなかったと言う空気を読んだからなのだろうか。

みんな、優しすぎるんだよ。私のことを放っておいて。
とは、言えないんだけど。だって私、ぼっち嫌だもん。


「ところでさ、新作コスメ見た?あの駅前のコスメ屋さんに売ってるやつ。それ見たんだけどさ・・・・」


誰かが、全く関係のない話題を振り始めた。