***



まだ5月だと言うこともあって、夜は肌寒かった。

「いいよ、そこまで送らなくても。寒いでしょう?」


「大丈夫だよ。寒いのは、ひあめじゃないの?」

ゔっ・・・・・・・・・・

た、確かに寒い・・・・・


灯利は、羽織っていた、淡いチョコレートブラウンのカーディガンを私に羽織らせた。




「えっ・・・・・・・・・・」

ドキドキドキドキ・・・・・
と心臓が高鳴る。

「あ、もしかして僕が使ったやつ嫌だった?」


私は無言で首を振る。
胸がいっぱいで返事ができない。