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当てもなく歩き始めて早30分が経過していた。
お父さんは心配しているだろうけど、今の私には、そんなことどうでもいい。


とにかく家から離れたい。
その一心で走り続けた。現実を思えば思うほど、涙が溢れてきて、乱暴に袖でぬぐいながら走っていた。

道ゆく人が興味深げに私のことを見てる。


でもいい。
そうやって余裕があってみている人はいいよね。私よりずっと、幸せなんでしょう?