学校でみんなが言っていたけど、名前にはそれぞれ生きる導が隠されてる。

たとえば、(あかり)って名前が、どんなときも明るく生きて欲しいから、っていうふうにね。

だから、私は自分なりに名前の意味を考えてみた。
だけど、自分で考えて決めつけてしまうことは、お母さんが求めていることじゃない気がした。

お母さんがどんな気持ちでこの名前をつけたかはわからない。
だけど、私は正しい意味でこの名前を使いたい。

まぁ、ともかく話し合うためにも私の存在に気づいてもらわないと。





「た、ただいま。」

私は、緊張した気持ちごと、言葉と一緒に吐き出した。

お父さんは振り向いて、かすかに笑みを浮かべる。

「ああ、ひあめ、帰っていたのか。おかえり」

「う、うん。・・・・お父さん、今日は早かったんだね。」

「ああ。そうなんだ。」

「ごめん、買い出しに時間がかかっちゃって、まだ夜ご飯作ってないの」

灯利と話してたのは、ナイショだ。