・・・・いつか、話し合わなきゃって思ってた。
だけど、見えないふりをしていた。現実から逃げていたんだと思う。





でもきっと、お父さんだって名前を漢字にすることに躊躇(ためら)いがあるはずだ。
だって、この名前は___________


今はもう、亡くなってしまった私のお母さんがつけてくれた名前だから。
私のお母さんは私をうんでからすぐに亡くなってしまった。

だけど、私がうまれる前に名前について話し合った時、お母さんは、『ひあめっていう名前にしたい』と言っていたそうだ。

だからお父さんはひあめと言う名前をつけることにしたそう。だけど、漢字とかは詳しく話してなかった。

お父さんは、いろいろな思いが込められているだろうと、あえてひらがなの名前にしたんだ。

・・・だから私はこのことについて話し合いをするのは躊躇っていた。

漢字はこれでどう?って軽く相談するのが、お母さんの気持ちを、思いを、ふみにじっているような気がした。