家に一旦荷物を置いて、スーパーに向かう。

「えーと・・・・」

買うべきもののメモを片手に、かごにどんどん商品を入れていく。

ささっと買い物を済ませてレジへ行くと、レジは予想以上に混み合っていた。

私は長い列の一番後ろに並ぶ。列に並ぶのは、40代〜50代の主婦ばかりで、私と同年代の子はいない。

いるけど、お菓子の箱を片手に、友達と喋ってる。

夕飯の買い出しに、スーパーに来ているのは私だけみたいだ。


まぁ、そりゃあ、そうだよね。

別に、仲間が欲しいんじゃないのに、胸の奥がチクチクと痛んだ。



気づいたら自分の番が来ていて、私は慌ててかごをレジの台に乗せる。
慌てて財布を取り出したら、指から500円玉が滑り落ちた。

チャリン、とお金が地面に当たる音がした。けど、500円玉を見失ってしまった。

後ろをチラ見すると、待っている人が沢山。それなのに、どこにあるかもわからないお金をかがんで探すのは、さすがに無理そうで、私は諦める。

後ろに並んでる、制服姿で、通学かばんを持った男の子と一瞬目があった。
私は、瞬きをするふりをして、目を逸らした。男の子の持つかごには、食材がたくさん入っていた。

さっきは気づかなかったけど、仲間なのかも。

勝手に親近感を抱く。