ふわふわとした光に包まれていく。
不思議ともう怖くはない。
この道をたどればもう大丈夫……そんな気さえしている。
遠くの方で基樹の声が聞こえた。
今まで見たこともないような笑顔で笑って、同じサッカー部の仲間たちと声を上げてはしゃいでいる。
ああなんて眩しい人なんだろうと思った。
そして、あの光景が脳裏に浮かんだ。
(基樹……)
そして、じっとその姿を見つめる、彼女の姿も。
「あ、あのさ……」
その背中に何を言おうとしたのか、自分でもわからない。
初対面でいきなり話しかけてくる謎の高校生に何か言われたところでなんなんだって思うだけかもしれないけど、だけど、わたしはゆっくり考えて、言葉を並べた。
「後悔しないように生きなよ」
何のことだよ、と自分でも思った。
そのまんま、自分に返ってくるじゃないか。
だけど、その背中はいつも小さな花壇から、人知れず大好きな人を眺めていた。
「あんたが、わたしに教えてくれたんじゃない」
自己満足だってわかっていた。
だけど、言いたかった。
もちろん、橋田さんも振り返らない。
「大切にできなくて、ごめんなさい」
あなたがあんなにも大切にしていた人だったのに。
あなたから、奪ってしまったのに。
悔やんでも悔やみきれない。
そんなことわかっていたけど、言わざるを得なかった。
「それでも……」
それでも決めたことがある。
「基樹は、わたしが助けるから」
助けるのだから。
橋田さんは、もう振り返らない。
不思議ともう怖くはない。
この道をたどればもう大丈夫……そんな気さえしている。
遠くの方で基樹の声が聞こえた。
今まで見たこともないような笑顔で笑って、同じサッカー部の仲間たちと声を上げてはしゃいでいる。
ああなんて眩しい人なんだろうと思った。
そして、あの光景が脳裏に浮かんだ。
(基樹……)
そして、じっとその姿を見つめる、彼女の姿も。
「あ、あのさ……」
その背中に何を言おうとしたのか、自分でもわからない。
初対面でいきなり話しかけてくる謎の高校生に何か言われたところでなんなんだって思うだけかもしれないけど、だけど、わたしはゆっくり考えて、言葉を並べた。
「後悔しないように生きなよ」
何のことだよ、と自分でも思った。
そのまんま、自分に返ってくるじゃないか。
だけど、その背中はいつも小さな花壇から、人知れず大好きな人を眺めていた。
「あんたが、わたしに教えてくれたんじゃない」
自己満足だってわかっていた。
だけど、言いたかった。
もちろん、橋田さんも振り返らない。
「大切にできなくて、ごめんなさい」
あなたがあんなにも大切にしていた人だったのに。
あなたから、奪ってしまったのに。
悔やんでも悔やみきれない。
そんなことわかっていたけど、言わざるを得なかった。
「それでも……」
それでも決めたことがある。
「基樹は、わたしが助けるから」
助けるのだから。
橋田さんは、もう振り返らない。



