「俺、コレ好きなんだよ。なんか、衣甘いのに、ケチャップとマスタードの酸味がアクセントになってて。甘過ぎず、酸っぱ過ぎずって言うの? まぁ、なんかうまく言えないけど、とにかく美味いんだよ。食ってみ」
そう言いながら、青島くんはもう一つのアメリカンドッグにもケチャップとマスタードを勢いよくかけると、待ちきれないというように、大きな口を開けてガブリと齧り付いた。
青島くんの食べっぷりに、思わず目を見張る。目を細め、本当に美味しそうに食べる姿を見つめていたら、いつの間にか私の涙は止まっていた。
モグモグと口を動かし、もう一口齧り付こうとして開きかけた口を青島くんは一旦閉じると、口の端にケチャップを付けたまま、私に向き直る。
「ほら、白野も食べて。揚げたてにしてもらったから、温かいよ」
大人っぽい気遣いと、口の端に付いた子供っぽさに思わず笑みがもれる。私は、鼻を啜りながら、濡れたままになっていた頬を手のひらで拭うと、紙ナプキンを差し出した。
「ケチャップ付いてる」
笑いを少し含んだ声でそう言うと、青島くんは、慌てたように紙ナプキンを受け取った。
「マジ!?」
慌てて口の周りを拭いている彼に、軽く頭を下げる。
「ありがとう。いただきます」
小さく一口齧ると、確かにほんのり甘い衣と、甘酸っぱいケチャップ、それからちょっと酸味のあるマスタードが鼻から抜け、美味しさが口の中に広がった。
何より、揚げたてというのがさらに美味しさをアップさせている気がする。まるで、青島くんの優しさを丸ごと食べているようで、私は夢中で齧り付いた。
食べ終わると、先程渡されたミルクティーをコクリと飲む。ほうっと一息吐いた時には、冷え切っていた体と心が温かくなっていた。
そんな私のことを、フライドポテトを摘まみながら見ていた青島くんが、口を開く。
「で? 何があったんだ?」
直球すぎる問いかけに、私はフライドポテトへ伸ばしかけた手を止めて、俯いた。
「話したくないなら、無理には聞かないけど。でも、ふらっとやってきたコンビニで自由な時間を過ごしていたら、突然、目の前で泣かれたんだぞ。少しは、俺に聞く権利あると思うけどな。ってか、なんかあったら電話しろって言っておいたのに」
青島くんは不貞腐れたように唇を少し尖らせる。どうやら、最後の言葉は別れ際の事を言っているようだ。
制服姿のままの私を見て、別れた後に何かあったのかと心配させてしまったのかもしれない。
そう言いながら、青島くんはもう一つのアメリカンドッグにもケチャップとマスタードを勢いよくかけると、待ちきれないというように、大きな口を開けてガブリと齧り付いた。
青島くんの食べっぷりに、思わず目を見張る。目を細め、本当に美味しそうに食べる姿を見つめていたら、いつの間にか私の涙は止まっていた。
モグモグと口を動かし、もう一口齧り付こうとして開きかけた口を青島くんは一旦閉じると、口の端にケチャップを付けたまま、私に向き直る。
「ほら、白野も食べて。揚げたてにしてもらったから、温かいよ」
大人っぽい気遣いと、口の端に付いた子供っぽさに思わず笑みがもれる。私は、鼻を啜りながら、濡れたままになっていた頬を手のひらで拭うと、紙ナプキンを差し出した。
「ケチャップ付いてる」
笑いを少し含んだ声でそう言うと、青島くんは、慌てたように紙ナプキンを受け取った。
「マジ!?」
慌てて口の周りを拭いている彼に、軽く頭を下げる。
「ありがとう。いただきます」
小さく一口齧ると、確かにほんのり甘い衣と、甘酸っぱいケチャップ、それからちょっと酸味のあるマスタードが鼻から抜け、美味しさが口の中に広がった。
何より、揚げたてというのがさらに美味しさをアップさせている気がする。まるで、青島くんの優しさを丸ごと食べているようで、私は夢中で齧り付いた。
食べ終わると、先程渡されたミルクティーをコクリと飲む。ほうっと一息吐いた時には、冷え切っていた体と心が温かくなっていた。
そんな私のことを、フライドポテトを摘まみながら見ていた青島くんが、口を開く。
「で? 何があったんだ?」
直球すぎる問いかけに、私はフライドポテトへ伸ばしかけた手を止めて、俯いた。
「話したくないなら、無理には聞かないけど。でも、ふらっとやってきたコンビニで自由な時間を過ごしていたら、突然、目の前で泣かれたんだぞ。少しは、俺に聞く権利あると思うけどな。ってか、なんかあったら電話しろって言っておいたのに」
青島くんは不貞腐れたように唇を少し尖らせる。どうやら、最後の言葉は別れ際の事を言っているようだ。
制服姿のままの私を見て、別れた後に何かあったのかと心配させてしまったのかもしれない。



