それから私達はまた東京からバスに乗り換えて、地元へと帰っていた。行きはあんなに楽しかったのに、帰りのバスは凄く寂しくて切ない気持ちだった、、、。
もっと伊織と一緒にいたかった、、、。
暮れていく夕陽をバスの窓から見ていると、無性に泣きたくなった。また家に戻れば、元の生活が待っている。それがとても気が重かった。
伊織も心なしか、行きより静かで疲れもあるのかうとうとしながら、バスに揺られていた。
「楽しかったな、、、」
伊織がぽつりと呟いた。
「うん、、、」今にもタイヤの音に消え入りそうな声で私も言った。
このニ日間、不安もあったけれど大切にしたい宝物のような時間を過ごせた気がした。
私はこれからもし、また辛い日があったとしても、今日の日の事を思い出して頑張っていこうと思っていた。そうしたら、人生きっと悲しいことばかりじゃないよと思える気がしていた。
(大丈夫、まだやれるよ、、、)
私は自分の左手を見つめながら思っていた。
あの時、伊織にSOSのサインを出して良かった。そうじゃなければ、私はニ度と立ち上がれなかった気がする。
夕陽が沈むと、待ちかねていたように月が浮かんできた。時間を止める事はできない。
私達は、ただ交互に太陽と月に照らされているだけで時間は進んでいく。
いくら戻りたいと願っても、響のいた頃には戻る事は出来ないんだ。
私は、響のいない人生を自分で歩んでいくしかない。それは、私だけじゃなく母も一緒だ。
私は暗闇に浮かぶ月に誓った。
これから私に起こるだろう、どんな悲しい出来事も、強い気持ちで感じて受け止めていこうと。
もう、母の死に怯えて生きていくのはお終いだ─────、、、
私は覚悟を決めた。
地元の駅に着くと、もう夜の十時を過ぎていた。東京よりも幾分か冷たい風が海から吹いていた。
私達は、駅にニ人で立ちながら顔を見合わせて笑い合った。
「本当に富士山に行って帰ってきたな?」
「うん!凄いね。何か夢だったみたいだね」
よくわからない達成感と充実感で、何だか誇らしい気持ちになっていた。伊織は、私を家まで送り届けて母に謝るときかなかった。
別に私の意思で富士山に行ったのだから、伊織が謝る事はないと言ったが、伊織は「大事な娘さんと、外泊したんだから土下座しないと」と変に律儀なことを言っていた。
私は家が近づくにつれて緊張していた。
母が一体どんな状況だか気になっていたし、アンナの話しでは、先生にも連絡がいっていたので、先生にも怒られそうだった。
私の家の前に着くと、駐車場に須田さんの車が止まっていた。こんな時間まで、須田さんが母についていてくれたのだと思うと、罪悪感を覚えた。
玄関の前で立ち止まっていると、伊織が私の手を握ってくれた。
伊織の顔を見ると、勇気づけるように私に笑顔を向けた。
もっと伊織と一緒にいたかった、、、。
暮れていく夕陽をバスの窓から見ていると、無性に泣きたくなった。また家に戻れば、元の生活が待っている。それがとても気が重かった。
伊織も心なしか、行きより静かで疲れもあるのかうとうとしながら、バスに揺られていた。
「楽しかったな、、、」
伊織がぽつりと呟いた。
「うん、、、」今にもタイヤの音に消え入りそうな声で私も言った。
このニ日間、不安もあったけれど大切にしたい宝物のような時間を過ごせた気がした。
私はこれからもし、また辛い日があったとしても、今日の日の事を思い出して頑張っていこうと思っていた。そうしたら、人生きっと悲しいことばかりじゃないよと思える気がしていた。
(大丈夫、まだやれるよ、、、)
私は自分の左手を見つめながら思っていた。
あの時、伊織にSOSのサインを出して良かった。そうじゃなければ、私はニ度と立ち上がれなかった気がする。
夕陽が沈むと、待ちかねていたように月が浮かんできた。時間を止める事はできない。
私達は、ただ交互に太陽と月に照らされているだけで時間は進んでいく。
いくら戻りたいと願っても、響のいた頃には戻る事は出来ないんだ。
私は、響のいない人生を自分で歩んでいくしかない。それは、私だけじゃなく母も一緒だ。
私は暗闇に浮かぶ月に誓った。
これから私に起こるだろう、どんな悲しい出来事も、強い気持ちで感じて受け止めていこうと。
もう、母の死に怯えて生きていくのはお終いだ─────、、、
私は覚悟を決めた。
地元の駅に着くと、もう夜の十時を過ぎていた。東京よりも幾分か冷たい風が海から吹いていた。
私達は、駅にニ人で立ちながら顔を見合わせて笑い合った。
「本当に富士山に行って帰ってきたな?」
「うん!凄いね。何か夢だったみたいだね」
よくわからない達成感と充実感で、何だか誇らしい気持ちになっていた。伊織は、私を家まで送り届けて母に謝るときかなかった。
別に私の意思で富士山に行ったのだから、伊織が謝る事はないと言ったが、伊織は「大事な娘さんと、外泊したんだから土下座しないと」と変に律儀なことを言っていた。
私は家が近づくにつれて緊張していた。
母が一体どんな状況だか気になっていたし、アンナの話しでは、先生にも連絡がいっていたので、先生にも怒られそうだった。
私の家の前に着くと、駐車場に須田さんの車が止まっていた。こんな時間まで、須田さんが母についていてくれたのだと思うと、罪悪感を覚えた。
玄関の前で立ち止まっていると、伊織が私の手を握ってくれた。
伊織の顔を見ると、勇気づけるように私に笑顔を向けた。



