透明なトライアングル

 『それって、詩歌の亡くなった双子のお姉さんが、伊織とできてたって話し?』

はっ、、、?私はアンナの言葉に驚いて何も言えなかった。

 「何、、、それ、、、どうして響と伊織が?」

『詩歌知らなかったの?最近女バスの子達が話してたんだけど、中学の頃伊織が響ちゃんと、こどもの国の観覧車でよくデートしてたって。伊織と同じ中学の子が響ちゃんを待ち伏せして聞いたらしいよ。付き合ってるのかって』

嘘でしょ?じゃあ、響があのスケジュール帳に書いていた人物はやっぱり伊織だったの、、、
?私は窓から、伊織の後ろ姿を眺めていた。
 だから、伊織は私にこんなに優しくしてくれるの?

 響の好きな人は、、、伊織だったって事?

 『付き合ってるわけじゃないって、否定はしていたみたいだけど、それでもいつもニ人でデートしていたみたいだから、皆んな付き合ってるんだろうって思ってたみたいだよ。
 だから、高校に入って詩歌が現れた時、双子で顔が似てるから、伊織は詩歌がタイプなんじゃないかって、、、』

 胸がズキズキと痛かった。
この痛みは何だろう?響も伊織もどうして、私には内緒にしていたのだろうか?
あの観覧車で、ニ人は毎回デートをしていた。伊織は好きだった子の妹だから、私を放っておけなかったのだ、、、。

 初めて伊織と会った時、伊織は響の事を"知らない"と言った。ニ人だけの秘密の思い出にしておきたのかったのだろうか、、、。

 私はアンナとの電話を切ると一人で立ち尽くしていた。

  『詩歌、もし私が凄く好きな人が出来たら必ず詩歌に紹介するね。だって詩歌が気に入らない男なら、いい男ではない気がするからさ』

 『それでもいいから、とにかく会わせるから、でも詩歌も好きになったらどうしよう?ありえなくもないよね?』

  『その時は、私が諦めるよ。響と恋のライバルとか、絶対に勝ち目がないし、戦いたくもないよ』

 戦いたくもない、、、。

 私は気づかない間に、響と恋のライバルになっていたんだろうか?
この透明な三角関係は、例え響がもうこの世にいなかったとしても、私に勝ち目はない気がしていた。
 それくらいに、私は響の魅力を知り過ぎて、自分にない物を沢山持っている事を知っていた、、、。