透明なトライアングル

 その晩、私達は手を繋いだまま眠りに落ちた。
伊織の隣りで眠ると私は安心してゆっくり眠る事が出来た。
 ずっと、今日が終わらないで欲しいと思うくらいに私は幸せだった。こんな気持ちになるのは初めてだった、、、。
もしかしたら、これが恋というものなのかもしれないと、私は幸せな眠りについた時に思っていた。

 朝、目が覚めると伊織がいなかった。私はゆっくり身体を起こして布団を出ると、カーテンを開けた。外を見ると、伊織が一人で湖の側で座っていた。私は上着を羽織って外に出ようとした時、携帯が鳴っている事に気がついた。
 伊織の携帯に電話がかかってきていた。
着信を見るとアンナからだった。

 私はアンナが伊織に電話をかけてきた事に驚いて、思わず電話に出てしまった。

 「、、、アンナ?」

『あー!!詩歌!?やっと連絡とれたよ!詩歌の携帯繋がらないから、伊織に電話すれば出るかと思って電話したの!』

私はアンナの声を聞いて、懐かしさを感じていた。学校に行かないでまだニ日目なのに、すでに学校の事が懐かしいと思っていた。

 『ニ人がいなくなって、先生達も騒いでたよ。それに学校の皆んなも駆け落ちしたって盛り上がってたよ』

「駆け落ち、、、。いや全然そんなんじゃなくてさ、私が小池さんと喧嘩になって落ち込んでたから、伊織が私を励ます為に遠出してくれただけなんだけど、、、」

さぞかし、学校でも大事になっている事が簡単に予想出来た。特に、伊織を好きな女子達を更に怒らせてしまっただろう。

 『そうなの?それならいいけど。心配してたんだよ詩歌の事!あの日小池さんとやり合って、大丈夫かなぁって。あの日何を言われてあんなにぶちギレたの?』

あの時は、気づいた時には私達が取っ組み合いの喧嘩になっていたので、どうして私達があんな喧嘩になったのか、理由を知っている人は少なかったと思う。

 「あれは、小池さんに響の事をビッチとか悪く言われて、ブチっとなってしまったのが原因で、、、」

そう言えば、あの時小池さんはよくわからない事を言っていた。

  『まあ、あんたの姉も大人しいふりして他校の男をナンパするようなビッチだったらしいけど』

小池さんは、どうしてあんな事をいっていたのだろうか?他校の男をナンパって何の事を言っているのだろう。あの時、響を馬鹿にされた事に頭に血が登って、話しの内容までよく考えていなかった。