「詩歌、この間のバスケ上手かったな。皆んな驚いて見てたよ」
「その後の乱闘騒ぎにも驚いたでしょ?」
私が少し恥ずかしくなってそう言うと、伊織が思い出したように笑った。
「掴みかかってたもんな。あれは完全に詩歌だったな」
「響は、あんな事絶対にしないよ。あと先考えずに感情で突っ走って、問題起こすのは詩歌です」
「でもいいじゃん。俺は好きだよ。その方が、人間らしくって」
"好きだよ"その言葉にどきっとした。
自分でも、顔が赤くなって熱くなるのを感じたが、伊織はなんてない事のように普通だった。
こんなんだから、周りの女の子は皆んな勘違いをして伊織の事を好きになるんじゃないかと思っていた。
楽しい時間があっという間に過ぎていって、
もう夜更けだった。周りの音は何にも聞こえずただ静かで、小さく虫の鳴き声だけが聞こえていた。
流石に、私は伊織と布団を並べて眠るのは緊張していた。初めての外泊で、しかも男の子と眠るんだから、緊張しても当たり前だと思う。
私は、思わず伊織に背を向けて横になった。
「詩歌、、、起きてる?」
ほのかに、月明かりがさす暗闇の中で、伊織が私に話しかけてきた。
「寝てるよ、、、」
「起きてんじゃん。眠れないの?もしかして緊張してる?」
伊織がおかしそうに言ってくるので、少し腹が立って、私は伊織の方を向いた。
「別にしてないって!」
「大丈夫だよ。襲ったりしないから」
「当たり前でしょ!?」
伊織は青白い暗闇の中で、私に向かって笑っていた。私達はニ人でいるとずっと笑っている気がしていた。
「詩歌、帰っても、今のままのお前でいろよ?」
「今、、、?」
「響じゃなくて、詩歌として家に帰るんだよ。お母さんにも、響のふりなんかしないで、詩歌として接するんだ」
そんな事、母は受け入れる事が出来るのだろうか?母の中に完全に私はいなくなっているのに。
「お母さんは、響がいないと生きていけないんだよ?私じゃなくて、響を必要としてる」
「詩歌、、、?詩歌?」
伊織が何度も私の名前を呼ぶので、泣きそうになる。私は詩歌のままでいいのだと言われている気がした。
「お前は詩歌だろ?自分の人生を生きるんだよ。誰かの為に自分を殺したりするなよ。どんな事があってもそれだけは主張するんだ。じゃなきゃ、どうして生きているのか、わからなくなるだろ?」
響になろうと、必死になっているうちに、私は自分を見失っていた。それでも、私は母に生きていて欲しかった。
「詩歌、手貸して」
私が少し緊張しながら、ゆっくり手を差し出した。伊織は私の手をぎゅっと握ると、私の目を見た。
「大丈夫だよ。何かあったら俺が絶対に守るから」
真剣に真っ直ぐ私を見つめる瞳に、何故か伊織の覚悟のようなものを感じて、私は少し不思議に思った。繋がれた手が温かくて、人の体温に触れる事が、こんなにも幸せな事だと初めて知った気がしていた。
「その後の乱闘騒ぎにも驚いたでしょ?」
私が少し恥ずかしくなってそう言うと、伊織が思い出したように笑った。
「掴みかかってたもんな。あれは完全に詩歌だったな」
「響は、あんな事絶対にしないよ。あと先考えずに感情で突っ走って、問題起こすのは詩歌です」
「でもいいじゃん。俺は好きだよ。その方が、人間らしくって」
"好きだよ"その言葉にどきっとした。
自分でも、顔が赤くなって熱くなるのを感じたが、伊織はなんてない事のように普通だった。
こんなんだから、周りの女の子は皆んな勘違いをして伊織の事を好きになるんじゃないかと思っていた。
楽しい時間があっという間に過ぎていって、
もう夜更けだった。周りの音は何にも聞こえずただ静かで、小さく虫の鳴き声だけが聞こえていた。
流石に、私は伊織と布団を並べて眠るのは緊張していた。初めての外泊で、しかも男の子と眠るんだから、緊張しても当たり前だと思う。
私は、思わず伊織に背を向けて横になった。
「詩歌、、、起きてる?」
ほのかに、月明かりがさす暗闇の中で、伊織が私に話しかけてきた。
「寝てるよ、、、」
「起きてんじゃん。眠れないの?もしかして緊張してる?」
伊織がおかしそうに言ってくるので、少し腹が立って、私は伊織の方を向いた。
「別にしてないって!」
「大丈夫だよ。襲ったりしないから」
「当たり前でしょ!?」
伊織は青白い暗闇の中で、私に向かって笑っていた。私達はニ人でいるとずっと笑っている気がしていた。
「詩歌、帰っても、今のままのお前でいろよ?」
「今、、、?」
「響じゃなくて、詩歌として家に帰るんだよ。お母さんにも、響のふりなんかしないで、詩歌として接するんだ」
そんな事、母は受け入れる事が出来るのだろうか?母の中に完全に私はいなくなっているのに。
「お母さんは、響がいないと生きていけないんだよ?私じゃなくて、響を必要としてる」
「詩歌、、、?詩歌?」
伊織が何度も私の名前を呼ぶので、泣きそうになる。私は詩歌のままでいいのだと言われている気がした。
「お前は詩歌だろ?自分の人生を生きるんだよ。誰かの為に自分を殺したりするなよ。どんな事があってもそれだけは主張するんだ。じゃなきゃ、どうして生きているのか、わからなくなるだろ?」
響になろうと、必死になっているうちに、私は自分を見失っていた。それでも、私は母に生きていて欲しかった。
「詩歌、手貸して」
私が少し緊張しながら、ゆっくり手を差し出した。伊織は私の手をぎゅっと握ると、私の目を見た。
「大丈夫だよ。何かあったら俺が絶対に守るから」
真剣に真っ直ぐ私を見つめる瞳に、何故か伊織の覚悟のようなものを感じて、私は少し不思議に思った。繋がれた手が温かくて、人の体温に触れる事が、こんなにも幸せな事だと初めて知った気がしていた。



