「詩歌!今日は一泊して明日帰るだろ?夕飯の買い物行こうぜ」
伊織がぼーっとしていた、私にテンション高く話しかけてきた。私はすぐに我にかえって返事をした。
私達は今日、河口湖のすぐそばの安いロッジを予約していた。ロッジに着くと、伊織の携帯に、伊織のお母さんから電話がかかってきて、私の母が私がいなくなった事で取り乱して、先生や警察に連絡したと言っていた。
私が置き手紙に、伊織と出かけてくると書いたので、学校から伊織のお母さんにも連絡がいったようだった。伊織のお母さんも激怒しているみたいだったが「明日帰る」と告げて、伊織はさっさと電話を切ってしまった。
きっと地元ではちょっとした騒ぎになっているだろう。でも、私は何処か遠くの話しのように感じて、焦りもしないし、心配もしていなかった。
山梨へ来た事で、私は地元の狭い世界から抜け出して大きな世界へ飛び出してきたような気になって、小さな不安を感じなくなっていた。とにかく、今だけは現実から目を逸らし、楽しい旅行にしたかった。
「伊織、料理下手じゃん」
「やった事ないからな!でもほら、玉ねぎ切れた」
私達はロッジで夕飯のカレーを作っていた。
スーパーで食材とお菓子をいっぱい買い込んで、今日はパーティーをする予定だった。伊織とニ人でカレーを作りはじめたが、伊織は全然料理をした事がないらしく、包丁を握る手もおぼつかなかった。
今切った玉ねぎも、ちゃんと切れていなくて、全てが繋がっていたので笑ってしまった。
「誰かと料理してご飯を食べるって楽しいな。ずっと一人でコンビニ飯だけだったから、テレビアニメみたいな普通の家庭の日常に憧れがあるんだよな」
伊織がカレーを口に運びながら、そんな事を言うので、私は少しだけ切なくなった。
私にはいつでも響がいたから、寂しいと感じた事はなかったが、伊織は今まで一人で寂しさと戦いながら生きてきたんだと思った。
「地元に帰っても、一緒にご飯食べようよ。料理教えてあげるよ」
私は思わずそんな事を口走ったが、お節介だったんじゃないかと、直ぐに不安になった。
私は別に伊織の彼女でも、ましてや恋人でもないし、ただの友達としては出過ぎた事のように感じた。
けれど伊織は、私に優しく笑って「いいなそれ、ありがとう」と言ってくれた。
伊織は口は悪いが、本当は優しい。
あの観覧車で出会ってから、いつも私を気にかけてくれていたし、私を励まして助けてくれた。同じように辛い境遇で生きているからかもしれないが、それにしてもそれだけが理由でこんなに優しくしてくれるのだろうか、、、?
私達は、シャワーを浴びてその後は、沢山のお菓子を開けて、トランプをして遊んだ。
ただトランプをしてるだけなのに、私達はニ人で大笑いしながら騒いでいた。
「じゃあさ、詩歌、詩歌は高校卒業したら何がしたい?人生の展望を語っていこうぜ?」
「えー、ちょっと待って!今頭で練るから、伊織からどうぞ!」
「俺は、親父みたいなパイロットになって、可愛い〜お嫁さんをもらって、可愛い息子と幸せに暮らす!」
「へぇ〜!そうなんだ。結婚したいタイプなんだね?私はねぇ〜、、、大学に行って強豪校でバスケして、海外とか行ってみたいなぁ。地元とは違う暖かい綺麗な海が見てみたい!」
「泳げないくせに、海好きな?」
「いいでしょ?見てるだけでも綺麗なんだよ!大きいものに惹かれるのかな?」
叶う確率の低い夢だとしても、口にだして言えば私達は叶いそうな気になっていた。
伊織がぼーっとしていた、私にテンション高く話しかけてきた。私はすぐに我にかえって返事をした。
私達は今日、河口湖のすぐそばの安いロッジを予約していた。ロッジに着くと、伊織の携帯に、伊織のお母さんから電話がかかってきて、私の母が私がいなくなった事で取り乱して、先生や警察に連絡したと言っていた。
私が置き手紙に、伊織と出かけてくると書いたので、学校から伊織のお母さんにも連絡がいったようだった。伊織のお母さんも激怒しているみたいだったが「明日帰る」と告げて、伊織はさっさと電話を切ってしまった。
きっと地元ではちょっとした騒ぎになっているだろう。でも、私は何処か遠くの話しのように感じて、焦りもしないし、心配もしていなかった。
山梨へ来た事で、私は地元の狭い世界から抜け出して大きな世界へ飛び出してきたような気になって、小さな不安を感じなくなっていた。とにかく、今だけは現実から目を逸らし、楽しい旅行にしたかった。
「伊織、料理下手じゃん」
「やった事ないからな!でもほら、玉ねぎ切れた」
私達はロッジで夕飯のカレーを作っていた。
スーパーで食材とお菓子をいっぱい買い込んで、今日はパーティーをする予定だった。伊織とニ人でカレーを作りはじめたが、伊織は全然料理をした事がないらしく、包丁を握る手もおぼつかなかった。
今切った玉ねぎも、ちゃんと切れていなくて、全てが繋がっていたので笑ってしまった。
「誰かと料理してご飯を食べるって楽しいな。ずっと一人でコンビニ飯だけだったから、テレビアニメみたいな普通の家庭の日常に憧れがあるんだよな」
伊織がカレーを口に運びながら、そんな事を言うので、私は少しだけ切なくなった。
私にはいつでも響がいたから、寂しいと感じた事はなかったが、伊織は今まで一人で寂しさと戦いながら生きてきたんだと思った。
「地元に帰っても、一緒にご飯食べようよ。料理教えてあげるよ」
私は思わずそんな事を口走ったが、お節介だったんじゃないかと、直ぐに不安になった。
私は別に伊織の彼女でも、ましてや恋人でもないし、ただの友達としては出過ぎた事のように感じた。
けれど伊織は、私に優しく笑って「いいなそれ、ありがとう」と言ってくれた。
伊織は口は悪いが、本当は優しい。
あの観覧車で出会ってから、いつも私を気にかけてくれていたし、私を励まして助けてくれた。同じように辛い境遇で生きているからかもしれないが、それにしてもそれだけが理由でこんなに優しくしてくれるのだろうか、、、?
私達は、シャワーを浴びてその後は、沢山のお菓子を開けて、トランプをして遊んだ。
ただトランプをしてるだけなのに、私達はニ人で大笑いしながら騒いでいた。
「じゃあさ、詩歌、詩歌は高校卒業したら何がしたい?人生の展望を語っていこうぜ?」
「えー、ちょっと待って!今頭で練るから、伊織からどうぞ!」
「俺は、親父みたいなパイロットになって、可愛い〜お嫁さんをもらって、可愛い息子と幸せに暮らす!」
「へぇ〜!そうなんだ。結婚したいタイプなんだね?私はねぇ〜、、、大学に行って強豪校でバスケして、海外とか行ってみたいなぁ。地元とは違う暖かい綺麗な海が見てみたい!」
「泳げないくせに、海好きな?」
「いいでしょ?見てるだけでも綺麗なんだよ!大きいものに惹かれるのかな?」
叶う確率の低い夢だとしても、口にだして言えば私達は叶いそうな気になっていた。



