「なぁ、詩歌は将来の夢ある?」
「何それ?どうしたの急に」
「だって、俺達ずっとここでこうして、親に縛られて生きていくわけじゃないだろ?」
伊織の言葉に、私は一瞬止まった。私は将来どんな風になりたいかなんて考えた事はなかった。
ただ、母の状態がこの先よくなるとも思えなかったし、今と同じように、母の側にいて、家から通える範囲で就職をして、ここで生きていくものだと思っていた。
「何もないの?やりたい事、行きたい所、自分がどうなりたいって全くないの?」
「ないかも。毎日が大変だったし、ただお母さんと何とか生きていければいいと思ってた」
私がアイスを食べながらそう答えると、伊織は大袈裟に大きな声でため息をついた。
「お前さぁ、そんなんでいいわけ?もっと明るい未来を描いた方がいいぞ?まだ若いんだから。なんかないのかよ?東京へ行ってあのバックが欲しいとか、スカイツリーに登りたいとか」
「、、、そう言う事?うーん、、、じゃあ富士山が見たいかな?」
「富士山?」
「だって、一度も生で見た事ないからさ。日本一の山見てみたい!」
「いいじゃん!見に行こうぜ!あとは?」
「えー、、、?あと?特にないけど。伊織は何かあんの?」
私が聞くと、伊織はいきなり晴れた青空を指差した。
「戦闘機のパイロットになりたい」
伊織が爽やかな笑顔で私に向かってそう言った。そう言えば、伊織の亡くなったお父さんもパイロットだったと言っていたのを思い出した。
「凄いね、、、いいじゃん!いい夢だね」
「だろ?」伊織は何故かドヤ顔で誇らしそうだった。けれど、私は本当にいい夢だと思った。伊織が伸び伸びと、この広い青空を切り裂いて飛んで行く姿を見てみたいと思った。
「なぁ、人生なんて短いんだからもっと自分の人生について真剣に考えてみろよ?詩歌の人生、どんな風に生きていきたいんだよ」
私の人生、、、。
私は、響がいなくなってから自分の人生なんて歩んできたのだろうか?
母が安定するように、響になったふりをして生きてきた。
私は、私の人生を生きてもいいんだろうか?
「俺たち、最悪な運命だったとしても、運命から逃げないで必ず幸せになろうぜ」
伊織は私に指切りするように、小指を差し出した。私は少し戸惑いながらも、伊織の小指に自分の小指を絡ませた。
ただ触れているのは、小指だけなのに、小指の先から心臓の音が聞こえるような脈拍を感じた。
柔らかい風が吹いたその時、風の冷たさで少し熱くなった小指の体温を隠した。
皆んなの伊織は、皆んなに優しいから皆んなに好意を寄せられているのだろうか?
意地悪したくなるほど、独り占めしたいという恋心を抱いた、小池さんの気持ちが少しだけわかった気がした。
伊織は私に、暗い夜空の中の光を見せてくれようとしているのかもしれないと感じた、、、。
「何それ?どうしたの急に」
「だって、俺達ずっとここでこうして、親に縛られて生きていくわけじゃないだろ?」
伊織の言葉に、私は一瞬止まった。私は将来どんな風になりたいかなんて考えた事はなかった。
ただ、母の状態がこの先よくなるとも思えなかったし、今と同じように、母の側にいて、家から通える範囲で就職をして、ここで生きていくものだと思っていた。
「何もないの?やりたい事、行きたい所、自分がどうなりたいって全くないの?」
「ないかも。毎日が大変だったし、ただお母さんと何とか生きていければいいと思ってた」
私がアイスを食べながらそう答えると、伊織は大袈裟に大きな声でため息をついた。
「お前さぁ、そんなんでいいわけ?もっと明るい未来を描いた方がいいぞ?まだ若いんだから。なんかないのかよ?東京へ行ってあのバックが欲しいとか、スカイツリーに登りたいとか」
「、、、そう言う事?うーん、、、じゃあ富士山が見たいかな?」
「富士山?」
「だって、一度も生で見た事ないからさ。日本一の山見てみたい!」
「いいじゃん!見に行こうぜ!あとは?」
「えー、、、?あと?特にないけど。伊織は何かあんの?」
私が聞くと、伊織はいきなり晴れた青空を指差した。
「戦闘機のパイロットになりたい」
伊織が爽やかな笑顔で私に向かってそう言った。そう言えば、伊織の亡くなったお父さんもパイロットだったと言っていたのを思い出した。
「凄いね、、、いいじゃん!いい夢だね」
「だろ?」伊織は何故かドヤ顔で誇らしそうだった。けれど、私は本当にいい夢だと思った。伊織が伸び伸びと、この広い青空を切り裂いて飛んで行く姿を見てみたいと思った。
「なぁ、人生なんて短いんだからもっと自分の人生について真剣に考えてみろよ?詩歌の人生、どんな風に生きていきたいんだよ」
私の人生、、、。
私は、響がいなくなってから自分の人生なんて歩んできたのだろうか?
母が安定するように、響になったふりをして生きてきた。
私は、私の人生を生きてもいいんだろうか?
「俺たち、最悪な運命だったとしても、運命から逃げないで必ず幸せになろうぜ」
伊織は私に指切りするように、小指を差し出した。私は少し戸惑いながらも、伊織の小指に自分の小指を絡ませた。
ただ触れているのは、小指だけなのに、小指の先から心臓の音が聞こえるような脈拍を感じた。
柔らかい風が吹いたその時、風の冷たさで少し熱くなった小指の体温を隠した。
皆んなの伊織は、皆んなに優しいから皆んなに好意を寄せられているのだろうか?
意地悪したくなるほど、独り占めしたいという恋心を抱いた、小池さんの気持ちが少しだけわかった気がした。
伊織は私に、暗い夜空の中の光を見せてくれようとしているのかもしれないと感じた、、、。



