次の日、学校へ行くと伊織はいつもの伊織で、小池さん達とくだらない話題で馬鹿笑いしていた。
昨日の伊織の影は全く見当たらず、幻だったのかと思えるくらいだった。
「詩歌、昨日女バスの皆んなでご飯食べに行ったんだけどさ、中学の時によく練習試合した西中の、アンナって子がいたよ?覚えてる?」
恵那に突然そんな事を言われて思い出した。中一の時点で、背が百七十近くはあるような子で、凄く目立っていた子がアンナという名前だった気がした。
「覚えてる!同じ高校だったんだ、、、」
「詩歌と同じ高校だって言ったら、一緒にバスケやりたがってたよ?詩歌の事、バスケが上手いから覚えてたみたい。やっぱり、バスケ部入ればいいのに」
思いっきり、バスケをやりたい。そんな願望が私にはあったがもう完全に、諦めていた。
「あとさぁ、昨日行ったピザのお店、めちゃくちゃ美味しかったんだよ!今度詩歌も一緒に行こうよ!」
「いいね!行ってみたい!基地の方でしょ?」
「そうそう!チーズがいっぱいのってるやつがあってさぁ、、、」
私は笑顔で頷きながら、絶対に行かないであろう、ピザ屋の話しに楽しそうに相槌をうっていた。その後、他のクラスの女子もきてSNSに流す動画を撮ろうと言ってきた。
わけのわからない、ダンスをして皆んなで一緒に動画を撮って、それをショート動画で流していいねを押し合う。
私にはさっぱり、何が楽しいのかわからなかった。それに、私は動画や写真に写っている自分に違和感があって、あまり見たくなかった。
携帯の中で無理矢理楽しそうな表情をして写っているのは、私ではなく響に見えたからだ。
自ら望んで、響に寄せていっているはずなのに、そんな自分を見ると途端に苦しくなる。
皆んなはまだ、楽しそうに動画を撮り続けていたが、私は「トイレに行ってくる」と言ってその場を離れた。
人と上手くやるように、無理して取り繕ってはいるが、無理は無理で何処か歪みが生じる。それが小さなストレスとなって、私に積み重なっていく。携帯のバイブが小さくなって、私はメッセージを見た。
母からのメッセージで
『もうだめかもしれない』
と一言だけ書いてあった。
私は、自分の動機が激しくなるのを感じた。呼吸をしているつもりだが、息ぐるしく感じる。
周りの騒いでいる生徒達の声も聞こえないくらいに動揺して、私は慌ててメッセージを送った。
『どうしたの?大丈夫?何かあった?』
そんなメッセージを送っても無意味な事はわかっていた。理由もなく突然死にたくなるから、病気なんだ。
母の病気はそういう病気なんだ、、、。あと一時間授業が残っていた。けれど、今すぐに帰りたい気持ちに襲われていた。不安と恐怖で仕方なかった。こんな所でこんな事をしている場合ではない、、、。
けど何て言って早退する?私は今日が水曜日だと言う事に気がついた。
ヘルパーの須田さんが来てくれる日だった。
私は慌てて、須田さんに電話をかけた。
しかし、何コールならしても、須田さんは電話に出なかった。私は祈るような気持ちでいたが、虚しくコール音だけが鳴っていた。
昨日の伊織の影は全く見当たらず、幻だったのかと思えるくらいだった。
「詩歌、昨日女バスの皆んなでご飯食べに行ったんだけどさ、中学の時によく練習試合した西中の、アンナって子がいたよ?覚えてる?」
恵那に突然そんな事を言われて思い出した。中一の時点で、背が百七十近くはあるような子で、凄く目立っていた子がアンナという名前だった気がした。
「覚えてる!同じ高校だったんだ、、、」
「詩歌と同じ高校だって言ったら、一緒にバスケやりたがってたよ?詩歌の事、バスケが上手いから覚えてたみたい。やっぱり、バスケ部入ればいいのに」
思いっきり、バスケをやりたい。そんな願望が私にはあったがもう完全に、諦めていた。
「あとさぁ、昨日行ったピザのお店、めちゃくちゃ美味しかったんだよ!今度詩歌も一緒に行こうよ!」
「いいね!行ってみたい!基地の方でしょ?」
「そうそう!チーズがいっぱいのってるやつがあってさぁ、、、」
私は笑顔で頷きながら、絶対に行かないであろう、ピザ屋の話しに楽しそうに相槌をうっていた。その後、他のクラスの女子もきてSNSに流す動画を撮ろうと言ってきた。
わけのわからない、ダンスをして皆んなで一緒に動画を撮って、それをショート動画で流していいねを押し合う。
私にはさっぱり、何が楽しいのかわからなかった。それに、私は動画や写真に写っている自分に違和感があって、あまり見たくなかった。
携帯の中で無理矢理楽しそうな表情をして写っているのは、私ではなく響に見えたからだ。
自ら望んで、響に寄せていっているはずなのに、そんな自分を見ると途端に苦しくなる。
皆んなはまだ、楽しそうに動画を撮り続けていたが、私は「トイレに行ってくる」と言ってその場を離れた。
人と上手くやるように、無理して取り繕ってはいるが、無理は無理で何処か歪みが生じる。それが小さなストレスとなって、私に積み重なっていく。携帯のバイブが小さくなって、私はメッセージを見た。
母からのメッセージで
『もうだめかもしれない』
と一言だけ書いてあった。
私は、自分の動機が激しくなるのを感じた。呼吸をしているつもりだが、息ぐるしく感じる。
周りの騒いでいる生徒達の声も聞こえないくらいに動揺して、私は慌ててメッセージを送った。
『どうしたの?大丈夫?何かあった?』
そんなメッセージを送っても無意味な事はわかっていた。理由もなく突然死にたくなるから、病気なんだ。
母の病気はそういう病気なんだ、、、。あと一時間授業が残っていた。けれど、今すぐに帰りたい気持ちに襲われていた。不安と恐怖で仕方なかった。こんな所でこんな事をしている場合ではない、、、。
けど何て言って早退する?私は今日が水曜日だと言う事に気がついた。
ヘルパーの須田さんが来てくれる日だった。
私は慌てて、須田さんに電話をかけた。
しかし、何コールならしても、須田さんは電話に出なかった。私は祈るような気持ちでいたが、虚しくコール音だけが鳴っていた。



