私は、家に着くと勢いよく玄関を開けた。
家の中は静まり返っていて、人がいる気配を感じられなかった。
「ただいま、、、」私が小さな声で呼びかけても、もちろん返答はなかった。リビングへ行ってみたが、私が朝慌てて作ったお弁当の残骸がそのままになっていた。
少し不安な気持ちを抱きながら、母の部屋まで行くと、カーテンを閉めて真っ暗な部屋で、母はベッドに横たわっていた。
「お母さん?」私が小さな声で声をかけると、母は枕に顔を沈めて小さな声で言った。
「今日はだめみたい、、、」
母の部屋には、脱いだ服や、趣味のビーズアクセサリーのパーツが沢山転がっていた。
昔は綺麗好きだった母が、病気になってからは、片付けができなくなっていた。
私は母の洋服をまとめて、洗濯機に入れて回した。そして、冷蔵庫を開けて何か食材がないか探した。
今日は気分が落ち込んでいる日のようだった。
母の気分の上がり下りは、周りは大抵ついていけないくらいの乱高下だった。
特に、上がっている時は大変で、一晩中私に話しかけて寝かせてくれなかったり、いきなり遠くのレストランに行くといって聞かず、何時間も歩いて行く事もあった。
躁の状態の時が一番怖いからねと、主治医が私に言った言葉が、私の頭から離れなかった。
母に何かがあったら、私の責任だと言われている気がしていた。
私は、キッチンで今日の夕飯を何にするか考えていた。母はあの状態では、ご飯なんか食べないだろう。私は自分だけの為に何かを作る気にはならず、冷蔵庫からプリンを取りだして食べた。甘い味が口の中で広がってすぐに溶けた。
暗くなりはじめたリビングで、私はどうしようもない孤独と戦っていた。
とてもこんな安いプリンじゃ戦えない様な、大きな黒い闇に飲み込まれてしまいそうな孤独だった。いつまで、私はこの不安に怯えて生きていかなければいけないのだろう、、、。
(響、、、)
私は心の中で呼びかけた。
返事は返ってこないけれど、呼びかけなければ押し潰されそうだった。
今だって、私は一人では不完全な人間だ。だから、響がいないとちゃんと生きていけそうになかった。母を守る事も、自分一人で、生きて行く事も私には難しくて頭を抱えていた。
響もこんな胸の苦しさを抱えながら生きていたのだろうか?
家の中は静まり返っていて、人がいる気配を感じられなかった。
「ただいま、、、」私が小さな声で呼びかけても、もちろん返答はなかった。リビングへ行ってみたが、私が朝慌てて作ったお弁当の残骸がそのままになっていた。
少し不安な気持ちを抱きながら、母の部屋まで行くと、カーテンを閉めて真っ暗な部屋で、母はベッドに横たわっていた。
「お母さん?」私が小さな声で声をかけると、母は枕に顔を沈めて小さな声で言った。
「今日はだめみたい、、、」
母の部屋には、脱いだ服や、趣味のビーズアクセサリーのパーツが沢山転がっていた。
昔は綺麗好きだった母が、病気になってからは、片付けができなくなっていた。
私は母の洋服をまとめて、洗濯機に入れて回した。そして、冷蔵庫を開けて何か食材がないか探した。
今日は気分が落ち込んでいる日のようだった。
母の気分の上がり下りは、周りは大抵ついていけないくらいの乱高下だった。
特に、上がっている時は大変で、一晩中私に話しかけて寝かせてくれなかったり、いきなり遠くのレストランに行くといって聞かず、何時間も歩いて行く事もあった。
躁の状態の時が一番怖いからねと、主治医が私に言った言葉が、私の頭から離れなかった。
母に何かがあったら、私の責任だと言われている気がしていた。
私は、キッチンで今日の夕飯を何にするか考えていた。母はあの状態では、ご飯なんか食べないだろう。私は自分だけの為に何かを作る気にはならず、冷蔵庫からプリンを取りだして食べた。甘い味が口の中で広がってすぐに溶けた。
暗くなりはじめたリビングで、私はどうしようもない孤独と戦っていた。
とてもこんな安いプリンじゃ戦えない様な、大きな黒い闇に飲み込まれてしまいそうな孤独だった。いつまで、私はこの不安に怯えて生きていかなければいけないのだろう、、、。
(響、、、)
私は心の中で呼びかけた。
返事は返ってこないけれど、呼びかけなければ押し潰されそうだった。
今だって、私は一人では不完全な人間だ。だから、響がいないとちゃんと生きていけそうになかった。母を守る事も、自分一人で、生きて行く事も私には難しくて頭を抱えていた。
響もこんな胸の苦しさを抱えながら生きていたのだろうか?



