伊織、、、その名前を聞いた事もなかったし、響のスケジュール帳にもそんな名前は書かれていなかった。
じゃあ、本当に完璧に私の勘違いでしかなかったのだ。
そりゃそうだ。よく考えてみればそんな偶然があるはずがない。あの手帳はニ年も前の手帳だし、今更響の相手がこの観覧車になんか乗っているわけはないだろう。
「もしかして、俺逆ナンされたの?俺の事待ち伏せしてた?」
いきなり伊織と名乗った男が私に向かって言ってきた。
「いや、違います!まさか、そんな事するわけないじゃないですか」
私が慌てて否定をすると、彼は何が可笑しいのか笑い出した。
「怖いって!ストーカー!?どっかで会った事あったっけ?」
「ないです!初めて!ちょっと勘違いしただけ!だってこんな観覧車に普通一人で乗らないでしょ?」
「別にいいだろ?俺は小さい時からこの観覧車から見るウミネコ島が好きなんだよ」
「ウミネコ島、、、?」私は思わず、夕陽に染められてオレンジ色になっている海にぽっかりと浮かぶ小さな島を見た。
「ここからじゃないと、ウミネコ島が綺麗に見えないんだよ」
「そうなんだ、、、」
「で?響じゃなくて詩歌だっけ?詩歌はいつ俺に一目惚れしたわけ?」
そう言ってにやにやしながら私を見てくるので段々イライラしてきた。勘違いしたのはこっちだが、こんなに自意識過剰な人間もあんまりいないと思った。響は絶対にこんな男を好きにはならないだろう。私の見当違い、全くの勘違いだった。
私が睨みつけても、怯む事なく彼は私に話しかけてくる。
「何処の高校行くの?」
「は?」
「高校生くらいだろ?今春休み中?何処の高校?」
「個人情報なんだけど、言わなきゃいけない?」
私は思わずトゲトゲした口調になって答える。いつもだったら、響のように優等生になろうと頑張っているが、別にこの男の前でそんな振りをする必要もないだろう。
「酷いな、そっちがいきなり俺を観覧車に無理矢理連れ込んだくせにその態度、、、」
「私のせいじゃないでしょ?あのお爺さんが勝手に押し込んできたんだから、こっちもわけのわからない男と密室でニ人にされて被害者だよ」
「は?俺結構モテるからな?ニ人っきりにしてもらって、金とってもいいレベルだから」
私が信じられない顔で見つめると、また楽しそうに笑い出した。
「俺、四月から海洋高校だから」
えっ───、、、?
私が言葉に出来ずに驚いていると、少しイタズラそうな顔をして私に言ってきた。
「もしかして、同じ?」
「なんで、、、?」
最悪だった、、、こんな恥ずかしい勘違いをした男と来月から同じ高校になるなんて、運命は本当に皮肉だ、、、。
「よろしく、詩歌」
伊織はそう言ってムカつく程の爽やかな笑顔で私に言ってきた。
じゃあ、本当に完璧に私の勘違いでしかなかったのだ。
そりゃそうだ。よく考えてみればそんな偶然があるはずがない。あの手帳はニ年も前の手帳だし、今更響の相手がこの観覧車になんか乗っているわけはないだろう。
「もしかして、俺逆ナンされたの?俺の事待ち伏せしてた?」
いきなり伊織と名乗った男が私に向かって言ってきた。
「いや、違います!まさか、そんな事するわけないじゃないですか」
私が慌てて否定をすると、彼は何が可笑しいのか笑い出した。
「怖いって!ストーカー!?どっかで会った事あったっけ?」
「ないです!初めて!ちょっと勘違いしただけ!だってこんな観覧車に普通一人で乗らないでしょ?」
「別にいいだろ?俺は小さい時からこの観覧車から見るウミネコ島が好きなんだよ」
「ウミネコ島、、、?」私は思わず、夕陽に染められてオレンジ色になっている海にぽっかりと浮かぶ小さな島を見た。
「ここからじゃないと、ウミネコ島が綺麗に見えないんだよ」
「そうなんだ、、、」
「で?響じゃなくて詩歌だっけ?詩歌はいつ俺に一目惚れしたわけ?」
そう言ってにやにやしながら私を見てくるので段々イライラしてきた。勘違いしたのはこっちだが、こんなに自意識過剰な人間もあんまりいないと思った。響は絶対にこんな男を好きにはならないだろう。私の見当違い、全くの勘違いだった。
私が睨みつけても、怯む事なく彼は私に話しかけてくる。
「何処の高校行くの?」
「は?」
「高校生くらいだろ?今春休み中?何処の高校?」
「個人情報なんだけど、言わなきゃいけない?」
私は思わずトゲトゲした口調になって答える。いつもだったら、響のように優等生になろうと頑張っているが、別にこの男の前でそんな振りをする必要もないだろう。
「酷いな、そっちがいきなり俺を観覧車に無理矢理連れ込んだくせにその態度、、、」
「私のせいじゃないでしょ?あのお爺さんが勝手に押し込んできたんだから、こっちもわけのわからない男と密室でニ人にされて被害者だよ」
「は?俺結構モテるからな?ニ人っきりにしてもらって、金とってもいいレベルだから」
私が信じられない顔で見つめると、また楽しそうに笑い出した。
「俺、四月から海洋高校だから」
えっ───、、、?
私が言葉に出来ずに驚いていると、少しイタズラそうな顔をして私に言ってきた。
「もしかして、同じ?」
「なんで、、、?」
最悪だった、、、こんな恥ずかしい勘違いをした男と来月から同じ高校になるなんて、運命は本当に皮肉だ、、、。
「よろしく、詩歌」
伊織はそう言ってムカつく程の爽やかな笑顔で私に言ってきた。



