私がそんな事を考えながら、一人で外の景色を眺めていると、頂上を過ぎた辺りで、私の二、三個あとの観覧車に誰かが乗っている事に気がついた。
どうやら、その人も私と同じように一人で観覧車に乗っていて、しかも私と同じくらいの若い男の子だった。
私は自分の脈拍が早く打ちつけるのを感じた。こんな観覧車に一人で乗ってくる若い男の子がいるだろうか?凄く不自然に思えて、何か感じるものが私にはあった。響が会っていた好きな子ではないのだろうか、、、?そんな思いが胸をかすめると、もうそうだとしか思えなかった。
もし、響の片思いの相手だったからと言って、別にそれがどうって事はない。その片思いの相手に、何を聞きたいとか、そんな考えもなかったが、ただ響が恋をしていた人がどんな人だか知りたかった。その気持ちを抑える事が出来ず、私は観覧車を降りると、男の子が降りてくるのを待った。本当に響を知っているかもわからなかったが、とにかく一度話しかけたいとしか思わなかった。
私が一人で、男の子が降りてくるのを待っていると、係員のお爺さんが私に気づいていたが、あえて何も言ってこなかった。
そして直ぐに、男の子は観覧車から降りてきた。ゆっくりと進む観覧車から足を降ろすと、直ぐそばにいる私の存在に気がついた。
彼は綺麗な形をした二重の目で私を見つめると、真っ直ぐの長い前髪を少しかき分けた。そして、私の顔を見ると、物凄く驚いたような顔をした。
「あっ、、、あの!」
私が声をかけようとした時、さっきまで黙っていた係員のお爺さんがいきなり私の手からチケットを一枚抜き取った。
「あと一周で今日は閉園だからね」
そう言って私と男の子を観覧車の中へ押し込むと、扉の鍵を閉めてしまった。
「えっ、、、え───!?」私が慌てて扉を開けようとするが、扉は外で閉められていて開く事はなかった。お爺さんは何故か微笑んで私達に手を振っていた。
「完全に勘違いしてるな、、、」
何故か、彼がそう呆然としながら呟いた。
「え?」私は彼が言っている意味がわからなくて思わず聞き返すと彼が少し面倒くさそうに私に言った。
「俺に何か用?」
私はそう聞かれて困ったが、素直に響の事を聞いてみた。
「私、一城 詩歌っていいます。あの、私の姉の事を知っていますか?響って言うんですけど、見た目はストレートのロングで、肌が白くて、、、」
説明しているうちに気がついた。私の今の姿は響のまんまではないか。
「私と全く同じ容姿です!私の双子の姉なんです!」
私が必死に説明をすると、目の前の彼は若干引いた顔をした。
「、、、知らないけど」
彼は私を不審そうに見つめると一言そう言った。
勘違い、、、?
私は完璧にそうだと思い込んでいた事もあって、期待外れのがっかり感が半端なかった。そして、私は勘違いした事が途端に恥ずかしくなってきた。
「、、、じゃあ、あなたは誰?」
私は思わず目の前の誰だかわからない正体不明の彼に尋ねた。
「冴島 伊織」
どうやら、その人も私と同じように一人で観覧車に乗っていて、しかも私と同じくらいの若い男の子だった。
私は自分の脈拍が早く打ちつけるのを感じた。こんな観覧車に一人で乗ってくる若い男の子がいるだろうか?凄く不自然に思えて、何か感じるものが私にはあった。響が会っていた好きな子ではないのだろうか、、、?そんな思いが胸をかすめると、もうそうだとしか思えなかった。
もし、響の片思いの相手だったからと言って、別にそれがどうって事はない。その片思いの相手に、何を聞きたいとか、そんな考えもなかったが、ただ響が恋をしていた人がどんな人だか知りたかった。その気持ちを抑える事が出来ず、私は観覧車を降りると、男の子が降りてくるのを待った。本当に響を知っているかもわからなかったが、とにかく一度話しかけたいとしか思わなかった。
私が一人で、男の子が降りてくるのを待っていると、係員のお爺さんが私に気づいていたが、あえて何も言ってこなかった。
そして直ぐに、男の子は観覧車から降りてきた。ゆっくりと進む観覧車から足を降ろすと、直ぐそばにいる私の存在に気がついた。
彼は綺麗な形をした二重の目で私を見つめると、真っ直ぐの長い前髪を少しかき分けた。そして、私の顔を見ると、物凄く驚いたような顔をした。
「あっ、、、あの!」
私が声をかけようとした時、さっきまで黙っていた係員のお爺さんがいきなり私の手からチケットを一枚抜き取った。
「あと一周で今日は閉園だからね」
そう言って私と男の子を観覧車の中へ押し込むと、扉の鍵を閉めてしまった。
「えっ、、、え───!?」私が慌てて扉を開けようとするが、扉は外で閉められていて開く事はなかった。お爺さんは何故か微笑んで私達に手を振っていた。
「完全に勘違いしてるな、、、」
何故か、彼がそう呆然としながら呟いた。
「え?」私は彼が言っている意味がわからなくて思わず聞き返すと彼が少し面倒くさそうに私に言った。
「俺に何か用?」
私はそう聞かれて困ったが、素直に響の事を聞いてみた。
「私、一城 詩歌っていいます。あの、私の姉の事を知っていますか?響って言うんですけど、見た目はストレートのロングで、肌が白くて、、、」
説明しているうちに気がついた。私の今の姿は響のまんまではないか。
「私と全く同じ容姿です!私の双子の姉なんです!」
私が必死に説明をすると、目の前の彼は若干引いた顔をした。
「、、、知らないけど」
彼は私を不審そうに見つめると一言そう言った。
勘違い、、、?
私は完璧にそうだと思い込んでいた事もあって、期待外れのがっかり感が半端なかった。そして、私は勘違いした事が途端に恥ずかしくなってきた。
「、、、じゃあ、あなたは誰?」
私は思わず目の前の誰だかわからない正体不明の彼に尋ねた。
「冴島 伊織」



