≪いえ。嬉しかったです。ありがとうございます≫

≪そっか。それならよかった≫



 会いたい。達樹さんに会ってみたい。達樹さんのことをもっと知りたい。どんな声で話すのか。なにが好きなのか、なにが嫌いなのか。リノちゃんにどんな表情をするのか。好きな人にはどんな表情をするのか。
 
 って、私、なに考えてるの! 好きな人にどんな表情するかって、そんなの、私が達樹さんの彼女にならないと見れないじゃん。今のは、私が達樹さんの彼女になりたいみたいな……。まだ会ってもないのに、なに考えているの! 今、知り合ったばかりなのに!



≪私もリノちゃんに会いたいです。その前に、達樹さんと二人でお出かけもしてみたいな、って≫



 送ったばかりのメッセージに私は頭を抱える。ああ、私のバカ! 恥ずかしい! こんなの「達樹さんとデートしたいです」って言っているようなもんじゃん。私の下心、隠せてないよ! 



≪俺も。美優さんに会いたい。休みがかぶっているとき、一緒に出かけない?≫



 出かけたい。達樹さんに会いたい。気が早いな、と思いながらも、私はスケジュールを確認した。



≪今月だと、私の休みは――≫



 夜更かし確定だ。明日はきっと寝不足で仕事をするんだろう。それでもいい。達樹さんに会えることを楽しみに、仕事を頑張れそうな私がいる。