それからしばらくして、“リノ”と名付けられた、猫ちゃんの写真が数枚送られてきた。猫に興味がなかった私。猫を見ても可愛いと思えなかった私。だけど、この写真の猫は不思議と可愛いと思えた。



≪リノちゃんを撮っているのって、達樹さんですよね?≫

≪そうだよ≫

≪なんとなく、リノちゃんは達樹さんのこと大好きなんだなって伝わってくる写真だなって。もちろん、達樹さんもリノちゃんのことが好きってことも伝わりました!≫



 猫のことは詳しくないけど、カメラ目線のリノちゃんは、なんだか目がキラキラしているように見えた。甘えたいような表情で、カメラ越しの達樹さんを見つめている。恋する乙女みたいな、そんな感じがする。