「美優、なんか変わったね」

「え?」

「今までだったら、なにも考えずに男に体を許していたのに」

「ちょ! 言い方!」



 私は慌てて周りを確認する。

 よ、よかった。周りに人が居なくてよかった。こんな話、見ず知らずの人とはいえ、聞かれたら恥ずかしい。

 千尋は気にする素振りもせず、コーヒーカップに口をつける。



「……正直、もっと自分を大切にしなよ、って毎回思ってたよ。男も欲に従順でバカだとは思うけど、美優も自分を安売りしすぎだなって」

「う……」

「達樹さんがどんな人か、私は知らないけどさ。美優は自分の価値を知った方がいいよ」

「千尋……。ありがとう」

「べつに。毎回、付き合ったり別れたり、話を聞くのも大変だから。まあ、頑張ってよね」



 千尋は素直じゃない。言い方はツンツンしているけど、あたたかい言葉をいつもくれる。私のことを心配して、想ってくれているのが伝わる。千尋は、私の大切な親友だ。



「千尋は最近、彼氏とはどうなのよー!」