もふっ。

 つやつやで柔らかな毛が気持ちいい。手のひらに伝わってくる、リノの体温。猫ってこんなに温かいの? これは抱きしめたくなる……。永遠と撫でていられる……。

 ゴロゴロ……。ゴロゴロ……。

 リノから聞こえる音。目を細めて気持ちよさそうな表情をしている。この音ってもしかして……。



「達樹さん! リノがゴロゴロ言ってます!」

「美優さんに撫でてもらってリラックスしてるんだね。よかったね、リノ」

「やっぱりそうなんですね! 実はリノと会う前に、猫のこと少し調べてきたんです」



 達樹さんが振り返って、優しく目を細めた。

この空間は癒しだなぁ。こんなに可愛い猫がいるなんて、達樹さんが羨ましい。



「お待たせ。オムライスできたよ」

 達樹さんが大きなお皿にのったオムライスを持ってきてくれ、私の目の前においてくれた。達樹さんが私の目の前に座る。二つのオムライスからほんの少し甘い匂いがする。



「……美味しそう!」
 チキンライスの上に半熟のオムレツがのっている。周りにはデミグラスソースがかかっていて、おしゃれなお店にいるかのような気持ちになった。