「あの。今日会ったばかりで、こんなこと言うのはおかしいと思っているんだけど。困らせるつもりはなくて。その。……俺の気持ちを聞いてほしい」



 ドキドキが加速していく。緊張が走る車内に、心臓の音が響いてしまいそう。

 私は達樹さんの言葉に、こくんと頷いた。



「美優さんとマッチングできて、俺は幸せ者だと思った。美優さんとアプリで初めて会話した日、すごく嬉しかったんだ。色んなことを話してくれるし、俺のことについても色々聞いてくれる。俺のこと知ろうとしてくれるんだな、って、すごく嬉しかった。仕事中も美優さんからメッセージ来てないかな、ってずっとソワソワしていた」



 そんなふうに達樹さんが思ってくれていたなんて、全く知らなかった。私も、達樹さんと話すことを楽しみに仕事を頑張っていたところはある。夜、ゆっくり達樹さんと話せる時間が、最近の私の癒しとなっていた。私たち同じように思っていたんだって、胸がぎゅっとなった。



「初めて電話したとき、美優さんの声聞いて、なんだか安心した。本当は俺、人と電話するのとか苦手なんだけど、美優さんとは安心して話せた。変に気を使わなくていいっていうか。俺が話したいと思ったことを聞いてくれるし、美優さんもその日の出来事とか話してくれて。他愛もない話なんだけど、それがすごく落ち着いたんだよね。気が付いたら1時間以上も話していて、すごくびっくりしたのを覚えている」

「うん」