夜が明けたら君に幸せを。

たしかにこっちを振り向いたのに。どうして…?


まるで、無視したみたいに…。



混乱する頭のまま教室に行くと、なぜかざわざわと騒がしく、咲那がクラスの女子たちに囲まれていた。



「あ…」



私と目が合った咲那がぽつりと声を漏らし、女子たちがばっと振り向いてきた。



「如月さん、よく学校来れたね」


「あんなことしといて、ほんと神経疑うよ」


「え…?待ってよ、なんのこと?…どういうこと、咲那?」



意味がわからなくて、俯いて座っている咲那に近づこうとすると、クラスメイトの一人にどんっと突き飛ばされた。



「しらばっくれてんじゃねぇよ!咲那が大倉のこと好きなの知ってたくせに、色目使ったんだろ!」