「神官、か……」
神官はこの後宮にも出入りしている存在で、男性の神官もいれば女性の神官もいる。ティアを「日陰妃」だと語るようになったのも神官が最初だ。
「神官……気難しい人達多そうだしなぁ」
神官達にやや苦手意識を持つティアに、侍女が明日彼らの会議がこの後宮で行われる事を伝える。
「確か定例会議と今度やる行事の打ち合わせだっけ?」
「そうです。会議の場にはいつも食事が提供されていますから、それらをティア様がお作りになればよいのでは?」
侍女からの提案に気乗りしないティア。やってみたいという気持ちが全くないわけではないが、神官達への苦手意識と大人数分の料理を作った事がない故の自信の無さが彼女を縛り付けている。
「ティア様。自信がないなら俺達が手伝いますよ。だからやってみませんか?」
「え……」
料理人のひとりがティアに声を掛けたのを皮切りに、続々と彼女の背中を押す声が沸き起こる。
「やってみましょうよ!」
「神官達から気に入られたら、ファラオにだって……!」
そんな彼らの情熱に蹴落とされているティアは己の胸のうちに問いかける。
(……ここまで言われたら……やるしかなくない? うんやるしかないな……!)
「分かった! やってみる! その代わり料理人の皆さんはすみませんけど手伝ってくださると嬉しいです!」
神官はこの後宮にも出入りしている存在で、男性の神官もいれば女性の神官もいる。ティアを「日陰妃」だと語るようになったのも神官が最初だ。
「神官……気難しい人達多そうだしなぁ」
神官達にやや苦手意識を持つティアに、侍女が明日彼らの会議がこの後宮で行われる事を伝える。
「確か定例会議と今度やる行事の打ち合わせだっけ?」
「そうです。会議の場にはいつも食事が提供されていますから、それらをティア様がお作りになればよいのでは?」
侍女からの提案に気乗りしないティア。やってみたいという気持ちが全くないわけではないが、神官達への苦手意識と大人数分の料理を作った事がない故の自信の無さが彼女を縛り付けている。
「ティア様。自信がないなら俺達が手伝いますよ。だからやってみませんか?」
「え……」
料理人のひとりがティアに声を掛けたのを皮切りに、続々と彼女の背中を押す声が沸き起こる。
「やってみましょうよ!」
「神官達から気に入られたら、ファラオにだって……!」
そんな彼らの情熱に蹴落とされているティアは己の胸のうちに問いかける。
(……ここまで言われたら……やるしかなくない? うんやるしかないな……!)
「分かった! やってみる! その代わり料理人の皆さんはすみませんけど手伝ってくださると嬉しいです!」



