俺が何かを望んだところで一度も叶った試しがない。
俺にはその資格すらないから。
「“叶わなくても願い続ければいい。いつか叶う未来のために”」
「…は?」
「いい歌詞思いついちゃった!恋愛要素…はちょっとしか入ってなけど、見方によればありかも…?」
ポケットからメモ帳を取り出したオトが、目を光らせながらスラスラと紙に文字を綴っていく。
俺もオトみたいに何かに夢中になれることを見つけられたら、こんな毎日も愛おしく思える日が来るのかな…。
*
「綿谷くん!競技練習一緒に…」
「行かねぇよ。そもそも俺、本番も出るつもりねぇから。なんなんだよおまえ?昨日から急に話しかけてくるけど、何が目的なんだ?」
ぎろりと鋭く睨みつけると、大野はびくっと肩を震わせていた。
廊下の真ん中にいるからか、不良が地味なやつをいじめていると思っている生徒たちがチラチラと視線を向けながら通り過ぎていく。
「…僕も、変わりたいんだ」
「は?」
「ふ、不良は苦手だけど…綿谷くんみたいなかっこいい不良は憧れるし、全員が同じだとは思わないから…っ!弱い自分を変えたいんだ。陰で怯えているだけの毎日は、もう嫌だから…」
俺にはその資格すらないから。
「“叶わなくても願い続ければいい。いつか叶う未来のために”」
「…は?」
「いい歌詞思いついちゃった!恋愛要素…はちょっとしか入ってなけど、見方によればありかも…?」
ポケットからメモ帳を取り出したオトが、目を光らせながらスラスラと紙に文字を綴っていく。
俺もオトみたいに何かに夢中になれることを見つけられたら、こんな毎日も愛おしく思える日が来るのかな…。
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「綿谷くん!競技練習一緒に…」
「行かねぇよ。そもそも俺、本番も出るつもりねぇから。なんなんだよおまえ?昨日から急に話しかけてくるけど、何が目的なんだ?」
ぎろりと鋭く睨みつけると、大野はびくっと肩を震わせていた。
廊下の真ん中にいるからか、不良が地味なやつをいじめていると思っている生徒たちがチラチラと視線を向けながら通り過ぎていく。
「…僕も、変わりたいんだ」
「は?」
「ふ、不良は苦手だけど…綿谷くんみたいなかっこいい不良は憧れるし、全員が同じだとは思わないから…っ!弱い自分を変えたいんだ。陰で怯えているだけの毎日は、もう嫌だから…」



