急に廊下に現れた俺に、三人は驚いたようにみんなして肩を振るわせ、その拍子にウサギのマスコットがついたキーホルダーが床に落ちた。
「…なんだこれ?」
「あ、そ、それは…っ」
すっかり固まって動けない三人よりも先にキーホルダーを拾い上げ、ハッとある記憶を思い出す。
あれは幼い頃にお隣の付き合いということで、俺と父親と花楓と花楓の父親で遊園地に行った時。
花楓が一瞬迷子になって、すぐに見つかったものの泣き止まなくてお昼が過ぎたばかりだというのにもう帰ろうかと父親同士が話していた時のこと。
俺は幼い頭ながらに花楓をなんとか泣き止ませてあげたくて、ふと遊園地マスコットのウサギのキーホルダーが売店で売られているのを見つけ、父親にねだって買ってもらった。
そしてそれを花楓にあげると、今まで泣き止まなかったのが嘘かのようにコロっと泣き止み、嬉しそうに笑っていた。
これはその時のキーホルダーだ。
すっかり古びて所々はげているウサギは、確かにあの時俺が花楓にあげたものだった。
「…もしかして、花楓が探してたのってこれのことか?」
感じていた違和感がやっと一本の線になって繋がった。
「聞いてんだよ。おまえらがこれ、盗んだのか?」
「…なんだこれ?」
「あ、そ、それは…っ」
すっかり固まって動けない三人よりも先にキーホルダーを拾い上げ、ハッとある記憶を思い出す。
あれは幼い頃にお隣の付き合いということで、俺と父親と花楓と花楓の父親で遊園地に行った時。
花楓が一瞬迷子になって、すぐに見つかったものの泣き止まなくてお昼が過ぎたばかりだというのにもう帰ろうかと父親同士が話していた時のこと。
俺は幼い頭ながらに花楓をなんとか泣き止ませてあげたくて、ふと遊園地マスコットのウサギのキーホルダーが売店で売られているのを見つけ、父親にねだって買ってもらった。
そしてそれを花楓にあげると、今まで泣き止まなかったのが嘘かのようにコロっと泣き止み、嬉しそうに笑っていた。
これはその時のキーホルダーだ。
すっかり古びて所々はげているウサギは、確かにあの時俺が花楓にあげたものだった。
「…もしかして、花楓が探してたのってこれのことか?」
感じていた違和感がやっと一本の線になって繋がった。
「聞いてんだよ。おまえらがこれ、盗んだのか?」



